自らのストロングポイントをチームとして理解
後半に入ると、MFヤクブ・ブワシュチコフスキに代えてDFヤン・ベドナレクを投入し、ナバウカ監督は布陣を[3-4-3]に変更。サイドに厚みを持たせ、巻き返しを図った。
セネガル代表はフォーメーションチェンジに直ぐには対応できず、ポーランド代表は勢いづいたかに見えた。が、60分、クリホビアクが不用意なバックパス。するとサイドからニアンが現れた。ベドナレクと飛び出したGKヴォイチェフ・シュチェスニーの間でボールをかっさらわれ、無人のゴールに流し込まれた。2失点目。その前にベドナレクとの接触で倒れ、タッチラインの外に出ていたニアンは、ちょうどピッチに戻ったばかりだったのだ。
この“棚からぼたもち弾”が決まる前から準備はされていたが、61分、シセ監督はFWディウフに代えてMFシェイク・エンドイェを投入。布陣を[4-1-4-1]に変えてきた。アンカーのポジションに入ったエンディアイエは、サイドに寄って守備に参加し、中央でレバンドフスキにボールが入れば、クリバリと挟んでエースFWを封じた。こうして中盤を厚くしたセネガル代表の前に、再び勢いを失ったポーランド代表。86分にセットプレーからクリホビアクのヘディングシュートで1点を返すのがやっとだった。
ブロックを構築し、ボールを奪えばカウンターを仕掛けてくるセネガル代表は、割り切っている分、コロンビア代表よりもタチが悪い。自分たちのストロングポイントを最大限に活かすにはどうすれば良いのか、チームとして理解している。選手たちがヨーロッパで磨いた守備戦術に、アフリカ特有の身体能力を上乗せした格好だ。
初戦でポーランド代表は、“セネガルの知性”に屈して、勝ち点3を落とした。
(文:本田千尋)
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