屈強なフィジカルと独特のリズムを兼ね備える
ポーランド代表は、敵の引き締まった[4-4]のブロックの中に、効果的な縦パスを入れることができない。ロベルト・レバンドフスキが中盤に下がると、センターハーフのエンディアイエがケアするといったように、マークの受け渡しもスムーズだ。最後尾にはカリドゥ・クリバリが存在感を放つ、どっしりと構えたセネガルの[4-4-2]の前に攻めあぐねた。
また、ポーランド代表がボールを奪っても、セネガル代表は即座に切り替えて奪い返しにくる。ボールロスト時の守備も徹底されていた。ボール奪取後に繋ぐ時は繋ぎ、カウンターでいける時は縦に繋いで数秒以内にゴールに迫る様子は、まるでドイツの新興クラブRBライプツィヒのようである。ライプツィヒと違うのは、11人全員が、屈強なフィジカルと独特のリズムを兼ね備えた黒人選手であるということだ。
守備戦術の意志統一を徹底しつつ、アフリカンのテンポでしなやかにスピードに乗ったドリブルで仕掛けてくるセネガル代表。いわば“異教徒の集団”を前に、ポーランド代表の攻撃は沈黙した。
そして37分、ついにポーランド代表は失点する。ペナルティエリアの手前で、サディオ・マネからパスを受けたイドリッサ・ゲイェがミドルシュート。チョネクの足に当たって、ボールはゴールに吸い込まれた。
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