激しいバトルを演じたサンティアゴ・アリアス(手前)と検討を称え合う乾貴士(奥)【写真:Getty Images】
現地時間19日、日本代表はロシアワールドカップのグループリーグ初戦でコロンビア代表に2-1の勝利を収めた。
開始3分でのカルロス・サンチェス退場や、香川真司のPKゴール、大迫勇也の決勝弾などに注目が集まりがちだが、ピッチ上には他にも貢献度の高かった選手が多くいる。その1人が乾貴士だ。
左サイドで先発フル出場を果たした乾は、コロンビア戦でボール奪取「11回」を記録した。これは、この試合に出場していた日本とコロンビアの選手全員の中で最多の数字だ。日本では長友佑都や吉田麻也が記録した「8回」を上回り、コロンビアのFWファルカオの「10回」も凌駕した。
そして特筆すべきは、乾のプレーエリアだ。逆サイドの原口元気は守備の際に相手サイドバックにぴったりとついて低い位置まで走って戻るため、平均プレーポジションが右サイドバックの酒井宏樹とほぼ同じハーフウェーライン付近と低かった。
一方の乾は、平均ポジションが最前線の大迫勇也やトップ下の香川真司に近く、常にアタッキングサード付近でプレーできていた。つまりボール奪取回数が多いだけでなく、すぐにカウンターに移れるような高い位置で相手の自由を奪うことができていたことになる。
攻撃面の1対1も、乾の試行回数は日本の他のどの選手よりも多い「18回」で、そのうち「8回」に勝利と高い確率で相手の脅威となった。
対面にいたコロンビアの右サイドバック、サンティアゴ・アリアスとの対決でも存在感を発揮し、侵攻を許さなかった。空中戦の競り合いは3回とも敗れており分が悪かったものの、地上戦では乾の4勝2敗。アリアスにとって日本の背番号14は厄介だっただろう。
乾は試合後、「前半の自分自身の出来は本当にチームに迷惑をかけてしまった」と猛省し「何ができるかを自分自身考えて、守備で走ろうとも考えましたし、勝利につながったんじゃないか」と分析していた。まさにその通り、チームのために献身的に走る姿勢が日本の勝利を力強く支えていた。
(データ提供:Wyscout)
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