若手こそ貴重な戦力も、24歳以下はわずか2人
「ベテラン、ベテランとみんな言っていますが、自分としてはまだ若いと思っていますし、メンタルも含めたコンディションは今までのキャリアの中でも一番いいと感じています」と長友佑都は千葉でのトレーニングキャンプ中に話していた。微妙な新ヘアスタイルで若さをアピールしようとする3週間前のことだった。
「年齢は全く感じていないですが、僕らのような経験ある選手たちがもっと若い選手たちに伝えられることもたくさんあります。単に話をするということだけじゃなく、ピッチ上で見せるということも含めて。そういう意味で模範として引っ張る選手になりたいと思います」
ワールドカップという舞台でそれが重要であることは間違いないが、日本代表の23人をざっと眺めてみれば、ロシアの地でチームの“長老”たちが道を示すべき若手選手というのは、具体的に誰なのだろうかという疑問も浮かんでくる。メンバー内で24歳以下の選手は第3GKの中村航輔と、4番手センターバックの植田直通の2人だけだ。
チームの攻撃を活性化させる選手は? 苦しい状況で何らかの打開策にトライするような怖いもの知らずの新入りは? 逃げ切りや逆転のために走り回る元気な若手は? 2010年カメルーン戦の本田圭佑や、2017年オーストラリア戦の井手口陽介になれる選手は?
結局のところ、ワールドカップではそういう部分で勝負が決まる。パラグアイ戦での勝利により、本大会でより高いレベルのパフォーマンスを発揮するために必要となる勇気を得られたことは確かだが、問題はこのメンバーの中にそういう力があるのかどうかだ。
(文:ショーン・キャロル)
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