すべて放り投げられたハリルホジッチ監督との3年間
パラグアイ戦の前半45分間は、スイスとガーナに敗れた直近の2試合と同じく精彩を欠いた戦いぶりだった。攻撃においては本格的な輝きを放つ場面は皆無で、守備にも疑問を感じさせた。あまりにも多くの凡ミスを連発し、簡単にポゼッションを明け渡してしまう。
ラストパスやシュートにはいつもどおり精度を欠いていた。後半には改善が見られたとはいえ、それは日本がギアを上げただけでなくパラグアイがスイッチを切ったおかげでもあった。
5月30日のガーナ戦に0-2で惨めな敗戦を喫したあと、長谷部誠はポジティブな姿勢を保とうと努め、チームはどこを改善すべきなのか分かっていると主張していた。
「2点とも崩されたというよりは、自分たちのミスからだったという部分が大きい」とキャプテンは試合後に語った。
「そこは修正しないといけないと思いますが、やられる感覚はそこまでなかった。課題はたくさんありますが、過程の中では、そんなに悪い感覚はなかったということです」
だが不安なのはまさに、大会直前の時期を迎えてチームがまだ過程の中にいたという事実そのものだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のもとで積み上げてきた3年間の仕事は、残りわずかとなったところで全て放り投げられた。
スターティングイレブンの顔ぶれが4年前のブラジルと大きく変わらないにもかかわらず、今まさにチーム内にまとまりが欠けているのは大きな不安要素だ。
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