次戦はドイツ下したメキシコ。韓国は巻き返しなるか
後半も堅守をベースにカウンターを狙う作戦をとった韓国。前半は機能しなかった中盤が活性化し始める。58分、ク・ジャチョルが鋭いヘディングシュートでゴールを狙うが、惜しくも枠外に。少しずつギアをあげるのかと思われた。
しかし63分、さらなる危機が訪れる。チャン・ヒョンスのクリアミスがスウェーデンにつながる。ビクトル・クラーソンがペナルティエリア内でドリブルを仕掛けると、キム・ミヌがタックルで阻止。その瞬間は反則を取られず韓国がカウンターに乗り出すが、レフェリーはいきなり試合を止めた。
ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の助言を得て、プレー映像を確認したいということだった。まもなく、まさかのPKが宣告された。キム・ミヌは顔を落とし、キ・ソンヨンが抗議するも判定は覆せないまま。アンドレアス・グランクビストにゴールを許した。
直後、韓国はキム・シンウクをチョン・ウヨンと交代させる。そしてこの日は不調だったク・ジャチョルの代わりに新星イ・スンウを投入。だが、今度はスウェーデンが極端に守備的な戦術を仕掛ける。ソン・フンミンやイ・スンウがワンツーを使ってDFをかわしながら攻撃を挑むも、モヤモヤとした時間が過ぎていくだけだった。結局、韓国はそのまま封じ込まれ、完封負けを喫してしまう。
結果的にシン監督が繰り出した「トリック」は失敗だった。キム・シンウクの身長を生かすこともできず、得意としていたソン・フンミンを中心にするカウンターも全く機能せず。守備での献身性は確認したが、小さなミスは改善できていなかった。パク・チュホが肉離れで今大会残り試合の欠場が濃厚になったのも、韓国にとっては最悪な結果となった。
シン監督は試合後、悔しさを隠さなかった。彼は「相手のフィジカルを気にしすぎた。そのため、自分たちのプレーができなかった」と嘆き、「必ず勝つべき相手に負けてしまった。フィジカル的な面で注意を払っていたが、逆にその部分が選手たちに悪影響を与えてしまった」と説明した。
次戦はドイツを倒したメキシコ。難しい試合になるに決まっている。シン監督は「カウンターも得意で、ドイツと比べても技術的に優っていた」とし、「手強い相手になるに違いない」と警戒する。
果たして韓国は「トリック」を仕掛けるも負けてしまったスウェーデン戦の衝撃を克服できるのか。そしてメキシコを相手に巻き返しの糸口を掴むことはできるのか。簡単ではないチャレンジに韓国全体が危機感を抱いている。
(文:キム・ドンヒョン【韓国】)
【了】