主将アンドレアス・グランクビストのPK弾でスウェーデンが今大会初勝利【写真:Getty Images】
【スウェーデン 1-0 韓国 ロシアワールドカップ・グループリーグ F組第1節】
ロシアワールドカップのグループリーグ初戦が現地時間18日に行われ、グループFの韓国代表とスウェーデン代表が対戦した。
事前のテストマッチで背番号をシャッフルしたり、様々なフォーメーションを使い分けたり試行錯誤を続けてきた韓国。大事なワールドカップ初戦では4-3-3を採用し、最前線に長身のキム・シンウク、右ウィングにファン・ヒチャン、左ウィングにソン・フンミンが配された。
そして驚きだったのはGKの人選だった。ヴィッセル神戸に所属するキム・スンギュが正守護神になると見られていたが、スウェーデン戦では“韓国のデ・ヘア”とも呼ばれる大邱FCのチョ・ヒョヌが抜擢された。
そのチョ・ヒョヌはいきなりビッグセーブを見せる。21分、ゴール前に抜け出したスウェーデンのFWマルクス・ベリが絶好機を迎えるが、韓国の守護神は右膝で至近距離からのシュートを弾き出す。
しかし、27分には韓国にアクシデントが襲う。味方からのロングボールを処理しようとジャンプした左サイドバックのパク・チュホが着地時に右足のもも裏を痛めてプレー続行不可能に。すぐに元サガン鳥栖のDFキム・ミヌと交代を余儀なくされた。
前半は韓国もソン・フンミンを中心にゴールに迫ったが、相手の堅守を崩しきれず。スウェーデンも前半アディショナルタイムにMFビクター・クラーソンが惜しいヘディングシュートを放つなど、ボール保持率を高めて攻めていったがゴールを割れなかった。
後半、最初のビッグチャンスを迎えたのは韓国。52分、左サイドの深い位置からキム・ミヌがダイレクトでクロスを上げ、ク・ジャチョルが頭で合わせる。だが、これは惜しくも枠の左に外れた。
57分にはスウェーデンがセットプレーから決定機を作る。サイドからのフリーキックにベリが頭で合わせるも、GKチョ・ヒョヌが再びビッグセーブで立ちはだかった。
拮抗した展開が続く中、先制点は意外な形でもたらされた。64分、キム・ミヌがペナルティエリア内でクラーソンを倒し、一度は主審に流されるも、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の助言を受けて判定が再検討される。
そしてキム・ミヌのタックルはファウルと判定され、スウェーデンにPKが与えられた。キッカーに立ったキャプテンのDFアンドレアス・グランクビストが冷静にPKを沈め、スウェーデンが待望の先制点を奪った。
劣勢に立たされた韓国は73分、ク・ジャチョルに代えて10番のイ・スンウを投入して同点ゴールを狙いにいく。ところが先制点を手にした後のスウェーデンの守備は堅く、ゴールが遠い。
そんな中でスウェーデンにも負傷者が出てしまった。80分に中盤のセバスティアン・ラーションが右ふくらはぎの痛みで交代を訴え、グスタフ・スベンソンと交代した。
韓国はイ・スンウやソン・フンミンを中心に相手ゴールに向かっていこうとするが、焦りからかボールを持っていない選手の動きが減ってしまい、効果的な崩しを見せられない。後半アディショナルタイムにはファン・ヒチャンがヘディングシュートでゴールを狙ったが、これも枠に飛ばなかった。
結局、韓国はブロックを敷いてゴールの守りを固めるスウェーデンからゴールを奪うことができず、重要な初戦を0-1で落として黒星発進となった。
17日に前回大会王者のドイツがメキシコに敗れ、勢力図に大きな変化があらわれたグループF。その2ヶ国とこれから対戦する韓国やスウェーデンにとっては、是が非でも落とせない初戦だった。それだけ重要な試合で敗れた韓国は、決勝トーナメント進出に向けて非常に難しい状況に立たされている。
グループFの第2戦はともに23日に行われる予定で、韓国は連勝してグループリーグ突破を決めたいメキシコと、スウェーデンは決勝トーナメント進出のために絶対に負けられないドイツと対戦する。
【得点者】
65分 1-0 グランクビスト(スウェーデン)
【了】