韓国代表のシン・テヨン監督【写真:Getty Images】
現地時間18日に行われる予定のロシアワールドカップのグループF初戦、韓国対スウェーデンだが、試合はすでに始まっていたようだ。英『BBC』などが伝えている。
韓国代表は先月28日にホンジュラス代表と、さらに今月1日にはボスニア・ヘルツェゴビナ代表との親善試合を行った。この2試合において、韓国の選手たちは背番号をシャッフルして情報の撹乱を図っていた。
例えばエースのソン・フンミンは普段「7」を着けているが、ホンジュラス戦とボスニア・ヘルツェゴビナ戦は「13」を背負っていた。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦のみに出場したキ・ソンヨンも、一見すると当落線上の選手に見える「24」を着けた。
他にもワールドカップ本大会で「10」を背負うイ・スンウが「9」を、その「9」をロシアで任されたキム・シンウクが「12」を。ソン・フンミンと並ぶ攻撃の柱ファン・ヒチャンがワールドカップ用の「11」ではなく「14」を着けるなど、多くの選手が背番号をシャッフルしていた。
また、今月上旬にヨーロッパ入りしてから行われたボリビア代表とセネガル代表とのテストマッチでは、ホンジュラス戦などとは違いソン・フンミンとキ・ソンヨン以外の選手の背番号を全て入れ替えていたという。
この理由について韓国代表のシン・テヨン監督は、スウェーデン戦の前日会見で「我々が選手の背番号を交換したのは、(ワールドカップでの)対戦相手に全てを見せたくなかったから。相手を混乱させたかった。彼らは我々の選手を何人か知っているかもしれないが、西洋人がアジア人を見分けるのは非常に難しいので、そうした」と背番号シャッフルの理由を説明した。
一方、スウェーデン側も「スパイ行為」を働いていたことが報じられている。同代表のスカウトを務めるラッセ・ヤコブセン氏が韓国代表のオーストリア合宿を「のぞき見」していたことが問題視されている。
ヤコブセン氏は韓国代表が合宿を張っていたオーストリア・ザルツブルグ近郊の街レオガングに拠点を設け、非公開練習を丘の上から偵察していたとのこと。
スウェーデン代表のヤンネ・アンデション監督は、この件について韓国戦に向けた記者会見の中で問われると「彼(ヤコブセン氏)は練習のことを聞いていたが、非公開練習だとは理解していなかった。どんな事情があっても全ての対戦相手を尊重することは非常に重要で、誰かがそう(スパイだと)解釈したのなら、我々はそれを後悔している」と釈明した。
初戦の対戦相手によるスパイ行為について、韓国代表のシン・テヨン監督は「おそらく指導者なら誰でも、対戦相手が自分たちを覗いていると感じているだろう。互いにできる限り多くの情報を得ようとするのは普通のこと」と一定の理解を示した。
手の内を明かそうとせず、シン・テヨン監督とアンデション監督は高度な情報戦を繰り広げている。ドイツがメキシコに敗れて早くも波乱含みのグループFは、ピッチ外でも熾烈な戦いが繰り広げられることになりそうだ。
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