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代表 6年前

よみがえる虎、ファルカオ。プロデビューは13歳、コロンビアのエースが悲願のW杯へ【ロシアW杯】

ロシアワールドカップのグループリーグ初戦で日本代表と対戦するコロンビア代表。そこにはチームを引っ張る2人のエースがいる。ラダメル・ファルカオは、夢の舞台に向けて牙を研いでいる。まるで虎のように。4年前、自ら引き寄せたワールドカップを負傷で諦めざるをえなかった男は、決して平坦な道のりを歩んできたわけではなかった。(取材・文:北澤豊雄)

text by 北澤豊雄 photo by Getty Images, Toyoo Kitazawa

祖母が語るファルカオの素顔

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ファルカオの祖母デニステン・ダニエス・ガルシアさん(2013年12月撮影)【写真:北澤豊雄】

 ファルカオの生家は柵で覆われていた。

 カリブ海に面するコロンビア北部の商都サンタマルタ市の日中は風がなく、炎天下の暑熱が地上を満たしていた。ラダメル・ファルカオ・ガルシアは人口約45万人のこの港町で1986年2月10日に生まれている。

 父のラダメル・ガルシア・キンはプロサッカー選手として国内のクラブで活躍した。叔父のヘルベン・キンは俳優である。もう1人の叔父とその息子も国内のクラブでプレーした。ファルカオが欧州でブレイクする以前から界隈では有名な一家なのである。

 生家のあるボスケ地区はコンクリートづくりの低い家が軒を連ねている。ファルカオの生家の向かいには開業医と飲料水専門店が並び、東隣には洗車店があるものの、他は閑静な住宅街である。高さ2メートルほどの黒い鉄柵で覆われた生家の柵内では、番犬の黒いドーベルマンと84歳になるファルカオの祖母、デニステン・ダニエス・ガルシアが日なたぼっこをしていた。

 来意を告げると、祖母は人懐っこい笑みを浮かべ、「少しだけなら」と念を押して錠を外してくれた。孫に関する取材には慣れているのだろう。

――ファルカオの子供時代のことを教えて下さい。

「彼はサッカーの世界でティグレ(虎)というニックネームで呼ばれているけど、とんでもない。とても可愛い子で、大人しくて、素直に言うことを聞く子だったわ。この家には4歳までしかいなかったけど、父親に連れられて近くの練習場でボールと遊んでいたわ。うちの家系にはサッカーの血が流れているのだけれど、彼は野球も好きだった」

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