コウチーニョが先制弾もその後は沈黙
ブラジルワールドカップ4日目、ついに優勝候補最有力といわれるブラジル代表が登場した。チッチ監督の就任以降、盤石の強さを手に入れて前回大会と比べてもチームとして完成度を大きく上げてきた。
対するスイスも組織力という点では随一の完成度を持つ。日本代表は大会前のテストマッチでその攻守における質の高さを痛感している。
とはいえ、選手個々の能力に秀でるブラジルにとっては勝ち点3を奪わないとならない相手だった。ところが1-1の引き分け。ブラジルにとっては失敗、スイスにとっては成功という結果となった。
今大会、優勝を争うと見られている強豪国は苦戦を強いられている。もちろん、決勝までを見据えるチームはグループリーグの初戦にコンディションを合わせることをしないため、序盤は力を発揮しにくい。それでも、強豪国が苦戦を強いられた試合には共通した特徴があった。
ブラジルは、20分にコウチーニョが右足でカーブをかけたシュートをネットに突き刺して先制。驚異的な技術の高さを見せつけたゴールでペースを引き寄せたかに思われた。
しかし、その後試合は停滞し、スイスは50分にスティーブン・ツバーがCKからヘディングで得点を決めて1-1。そのままブラジルの攻撃をしのいで勝ち点1を分け合った。
この試合で特徴的だったのは、中盤の守備力。スイスは、前線からプレスを仕掛けると同時に守備的MFでコンビを組むヴァロン・ベーラミとグラニト・ジャカを中心に中盤でブラジルに圧力をかけてその攻撃力を封じた。
ブラジルはこの試合で54.9%のボール支配率を記録しながらも、アタッキングサードでプレーした割合はわずか20%。543本のパスを出し、23回のドルブルを仕掛けながらもスイスの守備網を破ることはできなかった。