失点しても機能していれば打つ手はあるが…
たとえ失点しても、想定通りのハイプレスが機能していれば十分にチャンスはある。コロンビアはリードすると、ある程度引いてきて、日本に攻撃のチャンスが増える。そうなれば香川・乾のユニットならば崩しのイメージもつきやすい。
ところが、ハイプレスが機能しなかった場合は危険だ。早い段階でプランBに変更する、あるいは前半を無失点で切り抜けられれば、やりようはある。守備的な選手を投入するなどして耐えしのぐという選択肢もなくはないからだ。
だが、機能しないだけでなく早々に失点してしまうようだと打つ手がない。ゴールを奪わなければならない状況だが、香川・乾以上の選手がベンチにいないからだ。せめて中島がいれば可能性はあったのだが後の祭り。
それでも、西野監督は諸刃の剣である香川・乾ユニットでいくだろう。というより、この大博打に賭けるしかないのだ。勝ち点を奪うための最適解、香川・乾ユニットが西野ジャパンにとってのたったひとつの冴えたやりかたなのだ。
(取材・文:植田路生【カザン】)
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