サッカーの母国が本当の主役になるのは4年後か
ノルマ:ベスト8
目標:ベスト4
若手や中堅が多く、勢いに乗ったら手がつけられない力を備えているイングランド。ただ、ベテランの少なさは気がかりか。30代の選手はジェイミー・ヴァーディー、アシュリー・ヤング、ガリー・ケイヒルの3人のみ。彼らがピッチ内外でどれだけチームを束ねられるかも躍進の鍵を握りそうだ。
圧倒的なカリスマがいない分、グループとしての強みを発揮したいところ。先述したようにトッテナム勢が多いということで、アリとケインのコンビにも注目が集まる。
彼らを筆頭とした面々は未来への希望と可能性を感じさせる。一気に世界の頂点へ駆け上がるのは時期尚早かもしれないが、今大会の経験は必ず次に繋がるはずで、繋げなければならない。サッカーの母国の完全復活は、この23人にかかっているのだ。
グループリーグではベルギー、チュニジア、パナマと同居することになったネームバリューだけを見ればベルギーと共に決勝トーナメント進出が有力視されるが、油断は禁物だろう。初戦のチュニジア戦に躓くようなことになれば、若い選手たちは混乱し、普段どおりの力を発揮できなくなるかもしれない。
ロシアでの旅を意義のあるものにするためにも、初戦は何としても勝利がほしい。ここにピークを持ってきているとは思わないが、2戦目以降に弾みがつくような90分を過ごしたいところだ。
サッカーの母国は近年、それこそ母のような柔らかな眼差しで他国の進化を見つめてきた。しかし、次世代のスター候補が居並ぶ今大会のイングランドは自分たちが主役になろうと血気盛んな闘志を燃やしている。その思いはロシアで結実することはないかもしれない。だが、ロシアで爪痕を残すことができれば未来は明るい。
スリーライオンズの冒険がいよいよ始まる。
(文:編集部)
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