ネイマールへの負担も最小限に
目標:優勝
ノルマ:ベスト4
そして長く言われ続けたネイマールに続く点取り屋、つまり「9番タイプのストライカー不在問題」もロベルト・フィルミーノ、そしてガブリエウ・ジェズスの台頭でようやく解消された。まだ21歳という若さの後者は、その年齢からは考えられない落ち着きと確かなゴールへの執着心を持つ本大会でも期待の選手。南米予選でもチーム最多の9ゴールを叩き出すなど、実力はすでにトップレベルだ。
そのジェズスのバックアッパーであるフィルミーノは、今季抜群の破壊力を披露したリバプールの3トップを支える人物。ジェズスとは違い、周囲を生かすプレーに長け、自らも周りとの連係で点が取れるブラジルには数少ない特徴を持った選手である。
これらの選手以外にも、フェリッペ・コウチーニョやドグラス・コスタなど独力でチャンスを生み出せるアタッカーを揃えるため、4年前に比べればネイマールにかかる負担も軽減されているだろう。
エースを支えるのは中盤の選手も同じだ。決して守備に尽力するタイプではない背番号10を後ろのパウリーニョ、フェルナンジーニョ、カゼミーロがカバーする。そうすることによりネイマールをよりゴールに近い位置で自由にプレーさせることを可能としている。この中盤トリオの役割も今のセレソンには欠かせないものだ。
4年前のリベンジへ、準備は万全である。サッカー史に刻まれた「ミネイロンの惨劇」は未だ人々の記憶に深く刻まれているだろう。だが、その記憶は塗り替えなければならない。その舞台はロシアワールドカップ、その記憶を塗り替えられる結果は「優勝」のみだ。
王国ブラジルは6度目の栄冠へ向けロシアの地で暴れてくれるだろうか。
(文:編集部)
【了】