PKの重要性を指摘していたハリル
ロシアワールドカップ(W杯)は3日間が終了した。今大会で目立つのはPKの多さだ。これまで7試合で6回のPKがあり、そのうち4つが得点となっている。ほぼ毎試合のようにPKがあるのだ。
PKが多くなっている要因は主に2つ。1つはVAR(ビデオアシスタントレフェリー)。例えばフランス対オーストラリアではフランスのFWグリーズマンが倒された場面で、最初はノーファウルと判断され笛は吹かれなかったものの、VARによりPKと判定された。
2つめは、守備戦術の徹底だ。開幕戦のロシア対サウジアラビアを除けば試合はどれも僅差で、どのチームもしっかりと守り簡単には崩されない。ゴール前にはスペースがなく、より一層ギリギリの判断、接触プレーが多くなる。
日本も当然要注意だ。VARによりシミュレーションと呼ばれる、わざと転んだりして主審を欺くプレーは以前より有効ではないが、これは守備側にも当てはまる。昨年のブラジル戦では吉田麻也がボールのない位置で選手を倒したとしてVARによりPKとなった。ポジションどりでの不用意な接触も気をつけなくてはならない。
PKの重要性を何年も前から指摘していた人物がいる。それがヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督だ。何試合にもわたって日本代表にPKがなかった時期には「PKがまったくない」と嘆いていた。後にその真意を「PKをもらうのも1つのやり方」と説明していた。そこには「PKにつながるような決定機も少ない」という意図も込められていた。
西野ジャパンとしては、まずは守備面で不用意なプレーをなくすこと。幸いにもコロンビア戦の前までに他国の試合がいくつもある。審判の傾向を頭に叩き込む必要がある。また、攻撃ではペナルティエリア内にいかに入っていけるかが鍵だ。パラグアイ戦のように相手守備陣の間に入っていくプレーを増やしたい。
注意しつつもPKは有効活用すべき手段なのである。しっかりとものにしたい。ただし、問題がある。キッカーだ。