ボールを持ちながらも攻めこめず。深刻なメッシ依存
試合内容は当然ながらアルゼンチンがボールを支配する展開となった。データサイト『Who Scored』のスタッツを見ると、支配率78%:22%、ボールタッチ数961回:400回、パス本数752本:208本、決定的なパス本数19本:5本、パス成功率90%:63%、ドルブル突破の回数17回:8回、シュート本数27回:8回と多くの面でアルゼンチンが圧倒的な数字を叩き出していた。
一方で、前半45分間のプレーエリアを見ると、ピッチを3分割した中央部分となるミドルサードが52%で、相手ゴール前となるアタッキングサードが27%となっていた。
アルゼンチンは、圧倒的にボールを持ちながらもアイスランドか築く4-4-2のブロックを崩しきれず、攻めあぐねる展開が続いていた。1-1となった後半からアタッキングサードで43%までプレー割合を上げたものの、それはアイスランドが「引き分けで十分」という姿勢でより守備への意識を高めたことが要因といえる。
メッシの90分間のスタッツを見ると、ボールタッチ115回、パス本数71本、決定的なパス3本、シュート11本を記録し、ドルブル突破の回数でも9回と飛び抜けた数字となったが、PK失敗を含めてゴールネットを揺らすことはできなかった。そして、アルゼンチンのシュート本数を見ると、メッシに続くのはアグエロとオタメンディの3本と大きな差が生まれている。
レジスタとして起用されているルーカス・ビリアが1度もチャンスメイクができないなどパフォーマンスが優れなかったことも停滞した要因の1つと言えるが、アルゼンチンにはセルヒオ・ブスケッツもアンドレス・イニエスタもイヴァン・ラキティッチもルイス・スアレスもいない。メッシといえども、完全なるワンマンチームではその力を十分に発揮しきれない。