メッシにストレスフリーの環境を
ノルマ:ベスト8
目標:優勝
同じグループに入ったのは、クロアチア、アイスランド、ナイジェリアと曲者揃い。首位での突破が望まれるが、グループリーグで歩みが止まっても不思議ではない。ナイジェリアには昨年11月の親善試合で、2点を先行しながら4ゴールを奪われ敗れている。
アルゼンチンは優勝を狙っているはずで、コンディションのピークは決勝トーナメントに合わせてくると思われる。しかし、初戦から油断できない相手が控えている。
グループ初戦の相手はアイスランド。EURO2016でベスト8進出を果たすなど印象的な活躍を見せた小国は、ワールドカップに初めて参戦する。ディフェンスは堅く、ボールを奪うと一気にゴールに襲いかかる。自分たちにできることを理解し、追求し、出し尽くしてくるチームだ。アイスランドと同等以上の温度で臨まなければ足をすくわれるだろう。
豪華な攻撃陣に比べ、守備面は不安が残る。マンチェスター・シティで新たな能力を身につけたニコラス・オタメンディやローマのフェデリコ・ファシオなど実力者は揃っている。
5月30日のハイチ戦は無失点(4-0)で終えたが、相手との力関係を考えれば成功体験としては物足りない。ワールドカップ本大会を戦う中で自信を深めていくしかないだろう。
そして、何よりメッシが万全の状態を維持し、周囲のサポート体制が整っていなければならない。彼が自分の仕事に気持ちよく専念できる状態を作る必要がある。守備は元々免除されているので問題ないが、ストレスを抱えて攻撃で精細を欠くパフォーマンスに終始すれば、頂点には辿りつけない。
メッシとマラドーナはどちらが上か――。この議論に答えはないが、メッシがワールドカップトロフィーを掲げたことがないのは事実。前回大会は準優勝と最も悔しい結果に終わった。
1986年以来32年ぶりの世界制覇を果たすには、仲間たちがメッシのために働き、メッシが仲間たちのためにゴールを奪い続けるしかない。
(文:編集部)
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