サラー抜きのエジプト、スアレス&カバーニ擁するウルグアイ
優れた個人同士が優れた連係を見せた時、『1+1が2以上になる』という表現が用いられるが、ウルグアイの2トップはまさに、そういうコンビである。
開幕戦ではロシアがサウジアラビアを5-0で勝利。思わぬゴールラッシュでホスト国が高らかにワールドカップの幕開けを宣言した。
1990年イタリア大会以来の本戦出場となったエジプトは、モハメド・サラーという同国史上最高レベルのスターと共に初の決勝トーナメントを目指す。対するウルグアイは2010年南アフリカ大会で4位、前回のブラジル大会でベスト16に入った。第1回大会の優勝チームは正真正銘の伝統国である。
90分を通じてポゼッションは6:4でウルグアイだった。ボールを支配したというよりは、守備から攻撃の切り替えでゴールに迫る回数が多かったと言える。エジプトも統制の取れた守備と中央エリアで築く強固なブロック、カウンターに活路を見出す戦い方だった。
球際のバトルは激しかったが、“デュエル”にも見応えがあった。それでも、危険な当たりではなくクリーンなボールの奪い合いが試合をより引き締まったものにしていた。
勝敗を分けたのは、前線の脅威の度合いだろう。エジプトは飛車角落ちの状況だった。チャンピオンズリーグ(CL)決勝で負傷したサラーは、順調に回復しているようだった。ベンチスタートと判明した時点でスーパーサブとしてピッチに立つことが期待されたが、結局この試合で出番は訪れなかった。
対してウルグアイはルイス・スアレス、エディンソン・カバーニという世界一の2トップが攻撃をけん引した。後半だけでも4度、彼らの関係性でゴールを脅かしている。