勝ったからこそ、コロンビア戦へ緻密な準備を
例えば、パラグアイ戦の1失点目のロングスローへの対応。ロングスローからは、この失点のシーンの前に一度、相手の狙い通りに逸らされて、ゴール前を横断するようなボールを入れられています。そして、それと同じような形から1失点目は生まれました。
ここで問題なのは、日本のディフェンス陣がその前のシーンと同様の対応の仕方をしてしまっていることです。同じことを再現されていながら、具体策を用意できていませんでした。この日のディフェンスラインは決して低いパフォーマンスではありませんでしたが、先制されたシーンに関しては、失点につながる前に対処すべきことがまだあったと思いました。
相手は日本に隙を見つければ再現性をもって何度も狙いを定めてきます。さらにコロンビアにはパラグアイとは比べ物にならない、ハメス・ロドリゲスやファルカオ、ファン・クアドラードというクオリティの高い選手たちも揃っています。日本は「こんなはずじゃなかった」という感覚にならないように、より入念かつ緻密な準備をしておかなければいけません。
日本がこの日のパラグアイのレベルの相手に、ある程度自分たちの狙い通りのサッカーをして勝つことができるというのは、随分前から分かっていることです。そこからコロンビアやポーランドのような世界レベルの相手にどう勝っていこうか、というのが4年前のスタート地点だったはず。そのことを忘れずにロシアでの戦いに挑んで欲しいと思います。
日本代表の彼らは、これから別のものが始まるということをよく知っている選手たちだと思うので、それをピッチでしっかり表現して欲しいと思います。そのためには、パラグアイ戦を見たコロンビアが何をしようとしてくるか。それをコロンビアの目線に立って、具体的に、かつ緻密に準備しておくことです。勝ったからこそ。
(分析:岩政大樹、構成:編集部)
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