真の意味で守備はうまくいっていたのか
現地時間12日のパラグアイ戦、日本代表は4-4-2に近い守備陣形で試合に入りました。結果的に勝利したので、19日のロシアワールドカップ初戦となるコロンビア戦もこの形をベースに挑むのではないかと思います。
パラグアイ戦での日本は、前線からボールを奪いにいっているように見えましたが、最初から全体が高い位置をとっているわけではなく、岡崎(慎司)選手と香川(真司)選手がセンターサークルの頭くらいまで引いて、タイミングを見てプレスをかけていきました。
そこから相手の出方をうかがいながら、少しずつ前に出ていったので、前線からのハイプレスが当初からの狙いではないと思います。ある程度中盤でコンパクトな4-4-2を敷いて、ミドルゾーンで守備をする方針だったのではないでしょうか。
4-4-2で守るメリットとしては、相手のディフェンスラインに対してプレッシャーをかけやすくなることが挙げられます。特に相手のセンターバックに対して2人で対応するため、ボールの動きに規制をかけ、サイドに誘導しやすくなります。
一方、前線の守備で同時に2人を使ってしまうので、中盤やディフェンスラインに割ける人数が減ってしまうことがデメリットにもなります。日本にとっては、このやり方がワールドカップでもメインになっていくと思いますが、対戦相手の実力を考えれば、ワールドカップ本大会でパラグアイ戦と同じように前に出ていける状況は生まれにくいでしょう。
というのも、パラグアイ戦で日本の守備がハマっているように見えたのは、相手の質が低かったことが大きく影響していたからなのです。特に相手GKからのロングパスがことごとくミスになっていました。
前線からプレッシャーをかけてハメにいっている場合、相手のGKからのロングパスがしっかりつながるかが大きなポイントになります。パラグアイ戦ではGKのキックミスによってほとんどボールを回収できているので、守備がハマっているように見えましたが、仮にGKからのロングパスがつながっていたら、試合全体の日本のプレスは全く違うものになっていたでしょう。さらに、相手の前線に質のともなったアタッカーがいれば、一気にピンチを迎えていた可能性もありました。