別れは突然に。選手たちは留任を支持したが…
選手たちのメッセージは明確だった。今は傷つけられた誇りへの怒りを爆発させるべき時ではないこと。代表チームにはクラブチームとは異なり、このような形での監督交代に対処する指揮系統が存在しないこと。彼らは4年に一度しか開催されない大会を戦うためにロシアに来ているのであり、多くの選手にとってはワールドカップ優勝のラストチャンスとなること。爆弾が炸裂したとしても、引き起こされた被害への対処はチームに任せてほしいということ。
だが結局スペイン代表は、極めてデリケートな状態に置かれた。非常に緊迫した状況であり、ちょっとしたことで全てが無に帰してしまう危険に晒されている。フェルナンド・イエロが後任に選ばれたことで、一筋の光明も残されている。
チームのメカニズムはすでに形作られており、ワールドカップを楽しむ最後のチャンスを前にした選手たちが重要な役割を担ってくれるかもしれない。前代未聞の状況に対処するため、スペインはイニエスタやS・ラモス、D・シルバ、ピケらを頼りにしなければならない。
ロペテギは金曜日(15日)のスペイン代表にとってのワールドカップ初戦を、自宅のをソファーから見ることになる。「ワールドカップ中に言い訳がないように」と、彼が2年間かけて発展させてきた仕事は、クラスノダールの宿舎のドアの前で終わりを迎えた。
白いバンは、世界一になることを夢見ていたかつての指揮官を乗せて、すでにコサックの聖地の空港に向かって出発した。ロペテギが空港に到着して発した「ワールドカップに勝つこと。それが我々を強くする」という最後のメッセージは、解任が発表される数時間前にチームに別れを告げた時のそれと同じものだった。
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