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代表 6年前

惨劇の開幕戦は欧州とアジアの縮図。ロシアの圧勝に見る新たな世界のトレンド【ロシアW杯】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ロシアが5得点圧勝を遂げた理由

 ボールを保持していた割合はサウジアラビアが勝っていたものの、両チームのプレーエリアを見ると、ロシアは自陣ゴール前が31%、ピッチ中央が29%、そしてアタッキングサードが40%だったのに対して、サウジアラビアは自陣ゴール前で54%、ピッチ中央で31%、アタッキングサードで15%と真逆の結果となった。

 つまり、サウジアラビアが多くの時間でボールを持っていたのは自陣ゴール前。持っていたのではなく、持たされていたという方が正しいだろう。

 そして、インターセプトの回数を見るとロシアの13回に対してサウジアラビアは8回。さらにドリブル突破の回数ではロシアの10回に対してサウジアラビアは7回と1対1の局面ではロシアに軍配が上がっている。

 その結果、決定的なパスの数でも12回:4回、シュート本数でも14本:6本とロシアが上回り、枠内シュートに至ってはロシアの7回に対してサウジアラビアは0本という結果となった。

 これは、両チームのプレースピードに大きな違いがあったためだろう。サウジアラビアはゆっくりとDFラインからボールを回してリズムを作ろうとしていたが、ロシアは中盤から前線でプレスを仕掛けてボールを奪えばすぐに縦や斜めにパスを入れるなど素早く攻撃に転じた。

 サウジアラビアの選手たちは自陣ゴール前でバタつくなど、ロシアの攻守の切り替えの早さに明らかについていけていなかった。開幕戦の雰囲気に呑まれたのも要因と考えられるが、プレースピードの速さにも圧倒されたはず。

 アジアでの戦いでは、じっくりとボールを回している余裕があるが、やはり欧州のチームを相手にそれは許されない。

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