注目はWシウバ。スポルティング勢の精神面は…
ノルマ:ベスト8
目標:優勝
大黒柱のC・ロナウドは言わずもがな。彼の活躍がポルトガルの浮沈を決定づける。とはいえ、エースだけでワールドカップを勝ち抜くことはできない。
背番号7をサポートするキャストも重要だ。そして、それはEURO優勝以降に台頭した若い選手たちの存在によってクオリティアップを遂げている。注目はアンドレ・シウバとベルナルド・シウバの「Wシウバ」だ。
アンドレ・シウバはポルトからミランへ移籍した今季、新天地への適応に時間を要し、国内リーグではわずか2ゴールと苦しんだ。それでもヨーロッパリーグではチーム最多の8ゴールを叩き出し、大舞台での勝負強さを見せつけている。
クラブでは1トップも務める屈強なストライカータイプのアンドレ・シウバは、代表になるとC・ロナウドのサポートという役割でハードワークを求められる。だが、高いシュート技術や足元のテクニックで攻撃の重要ピースとして機能できる器用さも併せ持っている。
ベルナルド・シウバはマンチェスター・シティで一皮も二皮も剥けた。もとより評価の高かったドリブルでの崩しに加え、周囲との連係を駆使した局面打開に磨きをかけ、戦術的な幅広さを会得。ゴールもアシストも自在の万能アタッカーへと飛躍した。
一方、スポルティングCP所属選手の精神状態はフェルナンド・サントス監督の頭痛の種となっているかもしれない。ポルトガル国内屈指の強豪クラブでは5月にサポーターによる練習場襲撃事件が起き、その被害を受けた多くの選手が契約解除を申し出た。フロントとの亀裂も埋めがたいところまで広がっている。
ポルトガル代表では不動の守護神ルイ・パトリシオ、中盤の守備を一手に担うウィリアム・カルバーリョ、技巧派MFのブルーノ・フェルナンデス、快足ウィングのジェルソン・マルティンスが、所属するスポルティングCPで騒動の渦中にいる。ルイ・パトリシオはすでに退団を表明し、他の3選手も契約解除による退団が濃厚だ。
所属クラブとの問題を抱える選手たちの不安定な精神状態が、ワールドカップに臨む代表チーム全体に影響しかねない。優勝を目標とするチームが一丸となって大会に集中できるかは、ポルトガル代表を見るうえでの1つの注目ポイントだろう。
(文:編集部)
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