岡崎慎司が西野ジャパン初先発へ
「あらかじめ伝えている通り、起用の少なかった選手を明日起用したい。新しい可能性を高いレベルで求めていきたい」
日本代表の西野朗監督が前日会見でこう語った通り、12日のパラグアイ戦はここまで出番の少なかった選手が主に起用される方針だ。
「1ヶ月しかない準備期間で戦い方もチームも固定しないやり方はリスクが高すぎる」という批判も日に日に高まっているが、指揮官は「私が選んだのは、今までやっていないシステムにトライし、選手も固定せずに試合でマックスにテストしていくやり方だ」と頑なな姿勢を見せている。ならば、今、チャンスを与えられた選手にチームの停滞感と閉塞感を打破するようなパフォーマンスを期待するしかないだろう。
中でも、西野ジャパン発足後、無得点にとどまっている攻撃陣には奮起が求められるところ。パラグアイはロシアワールドカップ出場こそ逃しているが、FIFAランキング32位で日本よりはるかに上だ。
PK戦までもつれ込んだ2010年南アフリカワールドカップのラウンド16の名勝負を思い返しても分かる通り、パラグアイの最大の武器は堅守。日本のFW陣にしてみればロシアワールドカップ本番を想定したトライができるはずだ。
注目のスタメンだが、今回は5月21日の国内合宿スタート時から左足首負傷で別メニュー調整を強いられ、出遅れていた岡崎慎司が1トップに入る公算が高まった。8日のスイス戦では大迫勇也が先発したが、前半35分に腰を強打したことで武藤嘉紀に交代した。
大迫は前線からのプレッシングに忙殺されて攻めで圧力を出せず、武藤の方も思うようにボールを収められず、シュートもほとんど打てなかった。彼らが揃ってゴールに直結する仕事を見せられなかっただけに、代表キャップ通算112試合50得点という傑出した実績を誇る岡崎に改めて期待が寄せられる状況になったのである。
「ひざや足首のケガはもうだいぶよくなっている。ガーナ戦(5月30日)からはかなりよくなってると思うんで、そこはあまり気にしていない。明日はあまり何も考えず、とりあえず代表で試合に出る喜びを表現できればいいかなと思います」と本人は昨年9月のロシアワールドカップアジア最終予選・サウジアラビア戦以来、9ヶ月ぶりの先発出場に改めて感慨深い思いを抱いている様子だ。