推奨したい4-1-2-3
長谷部と大島を休ませる前提で行けば山口と柴崎がボランチのポジションから香川をサポートする形になるが、実際は[4-1-2-3]で山口をアンカー、柴崎をインサイドハーフで香川と並べつつ、攻撃時は香川の方が前に出る、ギュンドアンがいた時のドルトムントみたいな中盤の関係を作った方が守備で相手にサイドチェンジされた時の対応がしやすく、攻撃面で狭くなりすぎない状況を生みやすい。
【推奨布陣】
GK:東口(中村)
CB:昌子、植田(吉田)
SB:長友、酒井宏樹
アンカー:山口
インサイドハーフ:柴崎、香川
ウイング:乾、原口
FW:武藤(岡崎)
現在の香川も相手ディフェンスのプレッシャーを中央で背負うより、ややワイドのポジションでもう1人のインサイドハーフとバランスを取りながら前に出て行くという形の方が機能しやすいだろう。[4-2-3-1]はハイプレスをかけ続けるには効果的なフォーメーションだが、構造的に前からのプレスをかいくぐられると中盤でスペースを与えやすく、ミドルゾーンにブロックを組んでもサイドチェンジからオープンスペースを突かれやすい。
ハリルホジッチ前監督はブロック内で人を捕まえる守り方、在任時に同じ[4-2-3-1]をメインにしていたザッケローニ氏はボールに対して数的優位でプレスをかける守備だったが、相手にサイドチェンジさせない様に必ず内側から横にプレスする選手を確保する様に徹底していた。
そうした約束事がないまま[4-2-3-1]でワイドに連動させるとスイス戦の様に正確なサイドチェンジを使われまくることになる。それを解決する手段が中盤を逆三角形にして、中盤のゾーンを広く取れる状況を作ることだ。
パラグアイはおそらく[4-4-2]の2トップということで、現在のコロンビアとは並びも違いはあるものの、シンプルなサイド攻撃からアタッキングサードでドリブルやワンツーを織り交ぜてくる攻め方がコロンビアに類似する部分があり、バイタルエリアが薄くなることは絶対的に危険だ。そこをボランチが埋めることになるが、香川のポジショニングもキーポイントになる。
本大会に勢いを持ち込む意味では勝利が求められる試合ではあるが、ここで起用される選手には大きなチャンスであり、チームを突上げて行く様な活躍に期待する。
(取材・文:河治良幸【インスブルック】)
【了】