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天皇杯で異例の「PK戦やり直し」。JFAが「ミス」の経緯と理由を説明し陳謝

text by 編集部 photo by Getty Images

JFA
日本サッカー協会が天皇杯2回戦での競技規則適用ミスとPK戦やり直しについて謝罪した【写真:Getty Images】

 日本サッカー協会(JFA)は11日、今月6日に行われた天皇杯2回戦の名古屋グランパス対奈良クラブの一戦を、PK戦の1本目からやり直すと発表した。

 理由としてJFAは「担当審判員による、次のラウンドに進出するチームの決定に直接影響を及ぼす明らかな競技規則の適用ミスがあった」と公式サイト上で説明。そのうえで競技規則の誤った適用事案について国際サッカー評議会(IFAB)に確認し、臨時の天皇杯実施委員会で協議によってPK戦のやり直しを決定した。

 問題となったのは1-1で延長後半までを終えた後の、PK戦の奈良クラブの4人目、MF金久保彩のキックの場面だった。JFAは公式サイト上で、当該プレーが誤った競技規則の適用に至った経緯を以下のように説明している。

「PK方式の際、奈良クラブの4本目のキッカー(背番号40の選手)がキックする際の動きを主審がフェイントと判断し、得点を認めませんでした。競技規則では、キックする際の動きをフェイントと判断した場合は当該選手を警告とし、キックは失敗として、この時点で『名古屋グランパス(PK4-2)奈良クラブ』で終了して名古屋グランパスが3回戦進出になるところでした。

ところが、主審は競技規則の適用を誤り、当該選手に警告を与えずにキックのやり直しを命じました。また、副審、第4の審判員も誤りを正すことができませんでした。

そして、そのままPK方式を継続させた結果、最終的に6本目のキックが終了したところで、『名古屋グランパス(PK4-5)奈良クラブ』となり、奈良クラブの3回戦進出が決まりました」

 もし金久保のキックが本来の競技規則通りに「PK失敗」と判定されていれば、試合結果は真逆になっていたことになる。なお、「奈良クラブの40番の選手(=金久保)の動きがフェイントであったか否かについては議論の余地があるとし、明日、審判委員会を開催して判断することとします」としている。

 今回のPK戦やり直しの決定がなされたのは、審判の試合中の「判定ミス」ではなく「競技規則の適用ミス」であったことも理由の1つとなっている。

 PK戦は「次回戦に進出するチームを決するために競技会規則で定めた方式」であって、試合は延長後半までで「引き分け」で終了していたという解釈がIFABにも確認がとれたことから、「今回は判定ミスではなく競技規則の適用ミスであること、そして試合の結果に直接影響を及ぼす場面での明らかなミスであったことから、PK方式そのものが成立していないこととみなしてPK方式全体を一人目のキッカーからやり直すこと」になったとのこと。

 なお、JFAは今回の競技規則適用ミスとPK戦のやり直しについて「JFAが派遣した担当審判員が重大な適用ミスを犯してしまった」とし、「今回の競技規則の適用ミスとそれに起因した問題の一切につきましてはJFAの責任であることを関係するすべての皆様に深謝するとともに猛省し、今後、審判員の教育をはじめとして再発防止に取り組んでいく所存です。サッカーファミリー、サッカー関係者の皆様には厳しく見守っていただきますようお願い申し上げます」と陳謝している。

【了】

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