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日本代表 6年前

香川真司、ラストチャンスを掴めるか。背番号10の運命を決めるパラグアイ戦へ

text by 元川悦子 photo by Getty Images

トップ下・香川真司に課される重要テーマ

香川真司
香川真司はガーナ戦とスイス戦に途中出場するもノーインパクトに終わった【写真:Getty Images】

 注目なのが背番号10をつける香川だ。左足首を痛めて所属のボルシア・ドルトムントで2月から5月にかけてリーグ戦を欠場した彼は、コンディション面で明らかに出遅れを余儀なくされていた。55月30日のガーナ戦は後半45分間、スイス戦はラスト15分間だけのプレーにとどまっていて、試合開始から出場した場合にどれだけのインテンシティーを発揮できるか未知数だ。

 一方でスイス戦に先発した本田のトップ下が機能したと言い切れないだけに、指揮官としては香川の復調に期待を寄せたくなるはず。もう1人、柴崎という有力なオプションもるが、「そのポジションに関しては自分より適任の選手がいる」と本人はボランチで勝負したい意向を示している。そういう選手の考え方を最大限リスペクトするのが西野朗という人間。つまりロシアワールドカップ本番のトップ下は本田と香川のいずれかに絞られた状況なのだ。

「(圭佑君とは)プレースタイルが違うんで、お互いのよさが絶対あるわけなんで。ただ、自分が出た時にはどれだけバイタルエリアに入っていけるかというのは意識した。僕はそこでやり切りたいし、個人としても何か1つストロングを持ってワールドカップに行きたい」と香川はスイス戦後に本田との差別化についてこう語っていた。

 確かに屈強なフィジカルを生かしてタメを作るタイプの本田とは異なり、香川はゴール前に飛び出して得点を狙ったり、リズムの変化をつけたりすることで生きるタイプ。実際、ダイレクトプレーを使って前に出ようという姿勢はスイス戦でも出ていた。

 ただ、肝心なところでシュートチャンスを逃すなどの判断ミスも見て取れた。絶好調時の香川であれば、そういうシーンでもためらうことなくフィニッシュに持ち込んでいる。得点に至るイメージと嗅覚を取り戻し、得点力不足解消の切り札になること。それが彼に課せられた1つの重要テーマと言える。

「別にトップ下に縛られることはない。ただ、自分がどういうところで受けたら、チームにとっても個人としても輝くかは常に意識しています。となるともっと動かないといけない。相手が堅い中、前を向いて仕掛ける時間帯、前に入り込む時間帯、スピードを上げる時間帯も必要。バイタルエリアに入っていくことは自分の良さでもあるので、そのシチュエーションをどれだけ増やせるかを意識したいですね」と香川はできる限り高い位置でプレーし、ゴールに直結する仕事をしようと今、躍起になっている。

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