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代表 6年前

“最強FW”の相棒、ミリク。覆した長身=不器用の概念。ポーランドの最凶コンビが牙をむく【W杯 日本を襲う猛獣たち】

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ポーランドではトップ下。日本は止められるのか?

 不運なことに、10月に左膝前十字靭帯損傷の大ケガを負って、5ヶ月ほどの戦線離脱を余儀なくされる。翌シーズンは故障を直して戻ってきたと思いきや、今度は右膝の前十字靱帯を損傷してさらに長期の戦線離脱に。

 ただその間、チームは大型補強を自重しミリクの復帰を待った。ドリース・メルテンスのコンバートの成功もあったが、何よりミリクを戦力として信頼していたのである。

 結局今シーズンも日程の2/3近くを棒に振ることとなったが、戻ってからは頼もしい存在となった。終盤でメルテンスが疲れるや、途中から入って試合の流れを変えた。CFとしてエリア内に空中戦の強さは、攻撃の組み立てに新たなバリエーションをもたらす。終盤に挙げた4点もその全てが重かったのだ。

 こうしてクラブで復活を遂げたミリクには、ポーランド代表でも大きな期待が掛けられている。フル代表では2014年以来ずっと主力で、EURO2016フランス大会ではミリクのチームと言って良いくらい前線でのフィニッシュワークに力を発揮していた。

 今季は靱帯の故障で代表からも6ヶ月遠ざかっていたが、3月のナイジェリア戦、韓国戦には無事招集された。アダム・ナバウカ監督は3-4-3の新システムも試していたが、調子が良いと判断すればミリクをセカンドトップに配置する従来の布陣も使うのではないだろうか。

 概して長身選手は不器用とみなされがちである。だがミリクにそんなイメージを当てはめると、手痛いしっぺ返しを喰らうことになる。

 前を向いてシュートに行くまでのボールコントロールは俊敏だ。ポーランドではむしろトップ下気味にプレイし、レバンドフスキをフォローすることが多い。互いの動きを補完できるようなプレースタイルでありながら、両者ともに空中戦に強い。日本のディフェンスラインにとって、このコンビは間違いなく脅威だ。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

【了】

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