スイスにチャンスが多かった理由
日本時間9日深夜に行われたスイス代表戦で、日本代表は4バックを採用しました。従来慣れ親しんだ形ということで、選手たちも違和感なく試合に臨めたのではないでしょうか。攻撃から守備への切り替えなどは、当然のようにやれていたと思います。
日本代表の4バックはベースとしては非常にオーソドックスな守り方でした。1つだけ特殊だったのは、本田(圭佑)選手がスイスのグラニト・ジャカを特別に意識しながら守っていたことです。
ただ、ジャカも本田選手が自分へのパスコースを消そうとしていることに気づいて、少しずつポジションを変えてきました。相手のキープレーヤーに対して担当を1人決めてマンマーク気味に守る形は、コロンビア代表のハメス・ロドリゲスに対しても採用するかもしれませんが、相手がそれに気づいて変化をつけてきた時に、バランスを崩されて意図的に中央にスペースを作られてしまう可能性もあります。
当然、相手もスカウティングして日本戦に臨んできますので、中盤のバランスを崩されてしまうかもしれません。ただ、先月30日のガーナ戦の3バックから4バックに戻したことによって、ファーストディフェンダーで迷うような場面は減ったように思います。
それでも4バックの場合、気になるのは4人のDFによるスペース管理です。前線は1トップと両サイドハーフ、トップ下を合わせた4人で相手にプレッシャーをかけられますが、後方は4人でピッチの横幅をカバーしなければならず、対応は難しくなります。
ゲームの展開としては6:4くらいでスイスがボールを持って優位に進めていたと思いますが、日本もそれほど変わらないレベルで推移しているように見えます。でも、危険なエリアに侵入されてピンチになっている回数は日本の方が多く、ディフェンスラインがバタついて裏を取られているシーンが増えていました。
理由としては、4バックが守るべきスペースの管理をうまくできていないことが挙げられます。サイドバックとセンターバックの間や、2人のセンターバック間などに走ってくる選手に対して、出ていくべきなのか、出ないのか、その判断を繊細にしなければなりません。