取材に応じたGKダビド・オスビナ【Photo:Kazuhito Yamada/Kaz Photography】
日本代表とロシアワールドカップの初戦で対戦するコロンビア代表。イタリア国内で合宿を続けている最中の9日(現地時間)、衝撃が走った。
アルゼンチンのボカ・ジュニアーズに所属するレギュラー左サイドバック(SB)、フランク・ファブラが負傷によりチームから離脱することが決定した。現地で取材に応じたチームドクターが明かした。彼によれば左ひざ前十字靭帯の断裂だという。
取材に訪れたコロンビアメディアはファブラについて繰り返し質問。ドクターは神妙な面持ちで状況を伝えた。チーム広報によれば、代わりの選手は当然ワールドカップのメンバーリストに加えるが、誰にするかはペケルマン監督をはじめチームスタッフで吟味している最中で、まだ決定していないという。
この日、選手として唯一取材に応じたGKダビド・オスピナの表情も暗い。ファブラの怪我についての質問には「彼は重要な選手。ショックだ。チーム全体が大きなショックを受けている。悲しい決断だ」と回答。チームの核となる存在の離脱に動揺が広がっているようだった。
オスピナは日本戦について「準備は万端だ。問題ない。初戦に向けてしっかりと整えてワールドカップに臨む」と、チームの仕上がり具合に問題がないことを強調したが、最後まで笑みがこぼれることはなく、目が潤んでいるようにも見えた。
コロンビアは11日、ウズベキスタン代表とテストマッチを行うとの情報もあったが、広報によれば「現時点ではない」とのこと。ファブラの怪我が影響でなくなったかどうかは明らかにしなかった。
不測の事態に揺れるコロンビア。日本にとっては朗報と言えるのかもしれないが、ファブラのためによりチームが結束を強める可能性も大いになる。だが、何より有力選手がこうしてワールドカップで見られなくなるのは残念だ。
(取材・文:植田路生【イタリア】)
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