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スイス相手に0-2は実力どおり。ガーナ戦からの改善、求められる「運」を味方につける戦い方【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

あと一歩という印象の試合

 ミドルゾーンの守備、あるいはハイプレスでもボールを奪えていた。ハイプレスに関しては剥がされたときのリスクを考えると、やはりこれをメインにはできないが、リードされれば待ち受けだけというわけにもいかない。ハイプレスへの移行もある程度やれそうだったのは収穫といえる。

 ガーナ戦のようなハイクロスは減り、低いクロスボールか攻め直しが多くなった。FWに空中戦の優位性があまりない日本としては、やみくもにハイクロスを放り込むのは得策ではなく、思いとどまったのは良い傾向だと思う。ただし、別の攻め手を見つけたわけではなく、スローダウンすれば崩せない。

 唯一、ミドルシュートが打開策になっていた。得点にはならなかったが、シュートで終わればカウンターの恐れは減る。相手が意識すれば裏が空くこともありうる。カウンターのときの威力はあるので、スピードに乗れないときのポゼッションからの崩し方にあとひと工夫ほしいところ。

 (ヴァイッド・)ハリルホジッチ前監督のときほど攻め急がなくなったので間延びはしなくなった。ポゼッション時のアイデアがない、押し込まれると弱い、カウンターに脆いのは変わらない。相手のスピードを止められず与えたPKから1失点、後半に攻めに出た後にカウンターを食らっての2失点目は、ある意味実力どおり。後半に良い流れになったときに同点にする力があれば、運しだいの展開に持って行けた。

 やれることはやっているが、あと一歩という印象の試合だった。

(文:西部謙司)

【了】

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