欧州屈指のハイプレスを武器にするスイスの中盤
日本代表は6月8日にスイス代表と対戦する。アウェイでFIFAランキング6位の強豪国に挑むという貴重な試合であり、本大会まで残り2試合という段階で大きな試金石でもある。
「オーストリアでの合宿に関してはコンディションが上がっていますし、チームとしての方向性、本大会に向けての戦い方、着実にチームの中で共通理解。それを素直に出してもらいたい」
そう西野朗監督が語るスイス戦では守備と攻撃で試されるテーマがある。ゲーム形式の練習などから予想される日本のフォーメーションは[4-2-3-1]。守備はできるだけ高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪いにいくことができるか。それができない場合でも全体を下げ過ぎることなく、どこまでプレッシャーをかけていけるか。攻撃では逆に相手の前線からのからのプレッシャーを回避しながらボールをつないでチャンスにつなげられるかどうかが問われる。
「(スイスは)かなりのプレッシング。われわれのエンドに対しても厳しい。スペインに対しても有効なプレスを感じた。その中でどれだけ自信を持ってポゼッションして入れるかはアグレッシブにトライしたい」
そうしたチャレンジをするには格好の相手ということだが、スイスは[4-2-3-1]をベースとする中盤のプレッシャーでは欧州トップクラスのチームであり、そのエキスパートが中盤に揃う。ファーストセットはグラニト・ジャカ(アーセナル)、デニス・ザカリア(ボルシアMG)、ブレリム・ジェマイリ(ボローニャ)の3人だ。
司令塔のグラニト・ジャカが左足を痛めており、日本戦での出場も微妙となっているが、経験豊富なヴァロン・ベーラミ(ウディネーゼ)がおり、1-1と引き分けたスペイン戦でも奮闘していた。ベーラミが出た方が守備の強度は確実に上がり、日本が中盤でボールを保持しにくくなる。
スイスの中盤はカウンターの局面をのぞくと、シンプルかつ正確にサイドを使うのが基本で、そこからジェマイリやザカリアがバイタルエリア付近に顔を出していく。そしてボールが相手に渡った瞬間に素早くプレッシャーをかけて、そこでボールロストを誘ってショートカウンターにつなげる意識が高く、1トップやサイドハーフとの連動もしっかりしている。