日本戦はサブ組の選手たちにアピールのチャンスが…
そして、ボールを奪えば丁寧に前線まで運ぶことを信条とする。ショートパスを中心に、時折サイドチェンジなどを織り交ぜながらピッチを広く使い、相手のブロックにほころびが生まれた瞬間にスイッチを入れてシェルダン・シャキリやスティービン・ツバー、ブレリム・ジェマイリら2列目のアタッカーがゴールに向かって仕掛けていく。
その際、2人のセントラルMFのどちらか(主に守備的なデニス・ザカリア)が最終ラインからボールを引き出すため、下り目にポジションをとり、擬似3バックのような形にすることで両サイドバックを押し上げる。右のシュテファン・リヒトシュタイナーと左のリカルド・ロドリゲス、それぞれユベントスとミランで主力として活躍2人が絡んだ攻撃には厚みが出て、より一層脅威が増す。
スイスはボールポゼッションを高めながら相手を押し込み、主導権を握り続けることを目指している。そのチームの柱は中央で攻撃の方向づけを行うグラニト・ジャカだ。アーセナルに所属し、今季のプレミアリーグで最も多くのパスを蹴った男は、得意とするミドルパスやロングパスを左右に蹴りわけて相手の組織を破壊する隙を虎視眈々とうかがう。タイミング良く前線に飛び出して放つ左足の強烈なミドルシュートも大きな武器となっている。
とはいえジャカは現在負傷中のため日本戦には出場できない。セントラルMFからの展開力がうまく発揮されるかは、8日の試合の大きな注目ポイントの1つと言っていいだろう。
また、ペトコヴィッチ監督は7日の記者会見の中で「先週の日曜日(2日のスペイン戦)でプレーしなかった全ての選手が出場するだろう」と明かした。ビジャレアルで1-1のドローを演じたゲームで出番を得られなかったのは、控えGK2人と、FWマリオ・ガブラノビッチ、MFエジミウソン・フェルナンデス、MFレモ・フロイラー、DFニコ・エルベディの6人で、彼らには何らかの形でチャンスが与えられるはずだ。
特にフロイラーはジャカ不在時の代役として期待できるだけに、日本戦で先発する可能性が高い。セリエAのアタランタで存在感を発揮し、守備的な役割をこなすだけでなく的確なゲームメイク能力も備える万能型MFにめどが立てば、ワールドカップ本大会でも大きな戦力になる。