スイスの守備陣からゴールの実績
スイスは第2GKのロマン・ピュルキの先発が濃厚で、センターバックの一角にもマヌエル・アカンジが陣取る見通し。その2人が揃ってピッチに立った5月5日のボルシア・ドルトムント戦で、彼は左サイドからのクロスに鋭く反応。ヘディング決勝弾を叩き出している。マインツのブンデスリーガ1部残留を決定づけた値千金のゴールを決めた相手との再戦は追い風になるだろう。
「あの選手(アカンジ)はかなりやりやすい。そんなにスピードもなかったですし。あの試合に彼らが出ていたというのは今、知りましたけど、とても楽しみ。体もオーストリアで追い込みましたし、明日あたりはかなりいい状態になってるんじゃないかと思います」と本人も自信満々の様子だった。その勢いで日本の決定力不足解消の切り札になってくれれば最高のシナリオだ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代から1トップのファーストチョイスは大迫が君臨してきた。それは西野体制移行後も変わらないが、現指揮官は「武藤のようにブンデスの中でも総シュート数は多くないけど得点率が高い選手もいる。チャンスが少なくてもゴールができるというスタイルの選手も重要」と5月31日の最終登録メンバー発表会見で賞賛している。
ガーナ戦でも後半45分間を与え、岡崎慎司(レスター)との2トップにもチャレンジさせている。その一挙手一投足を踏まえると、大迫と武藤の位置づけは前体制の時よりかなり拮抗していると見ていいだろう。
それだけの高評価を与えられるだけの結果と内容を武藤は示している。今季ドイツでのゴール数は大迫の倍に当たる8得点。今回の代表合宿に入ってからもゴール前の鋭さは際立っている。
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