「そのワーストケースが南アフリカのやり方」
しかしながら、背番号4がスイス戦で特に重視しているのは「攻撃」より「守備」だという。
「守備がよければしっかりと攻撃の特徴が出ると。このスイス戦に限って言えば、守備ではめれたパターン、はめれない場面でのプレス、大きく言えばその2つをしっかり確認しながらやりたいです」と彼は語る。
今回は昌子源とセンターバックを組んで最終ラインを統率することになる吉田麻也も「奪いにいく時と引く時のタイミングがあると思いますけど、やってみないと分からない。はめにいってみてからかな」とまずは高い位置からのプレッシングにチャレンジする意向を示した。
スイスは今回、グラニト・ジャカが負傷欠場するため、パスの展開力は若干劣る。そこは本田ら前線の選手たちにとっても1つの狙い目だ。ヴァロン・ベーラミやデニス・ザガリアの両ボランチのところにプレスがはまって、高い位置でのボール奪取ができれば、スピーディーな攻めを繰り出すチャンスが広がるだろう。
しかしながら、「スイスはチームとしてすごくオーガナイズされている。むやみにロングボールを蹴ったり、変な失い方をするよりは、ビジョンを持ってつなぐサッカーをしてくる」と吉田も分析するように、彼らが簡単に中盤でボールを失うケースはそれほど多くないはず。
となると、日本は本田の言う「はめれない場面でのプレス」にシフトしなければならなくなる。どこまで全体のラインを下げるかは分からないが、低い位置でブロックを作らざるを得ない状況に追い込まれるのは確かだ。
「そのワーストケースが南アフリカのやり方。全部ダメになってもあのやり方はできると思ってます」と本田は立ち返る場所があることを改めて強調していた。
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