[4-2-3-1]ならトップ下争いが注目
オーストリアのゼーフェルトで合宿中の日本代表は現地時間4日、練習を行った。
2部練習が組まれたこの日は、午前中にヨーヨーテスト、サーキットトレーニングといったフィジカルトレーニングを行った。練習終了後には香川真司がフリスビーを楽しみ、本田圭佑は酒井宏樹らと談笑しながら引き揚げるなど、西野ジャパン発足後から続く雰囲気の良さがこの日も見受けられた。
そして、午後は戦術練習。[4-2-3-1]の形を採り、サイドのビルドアップを確認。本田、香川はサイドハーフをこなしつつトップ下も務めている。その後、メニューは紅白戦へ移行する。
両チームとも[4-2-3-1]の布陣で、トップ下に入ったのは本田と香川だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代はこのシステムがベースだったが、トップ下は香川で本田は右サイドが主戦場だった。2人がひとつのポジションを争うとなると、アルベルト・ザッケローニ元監督時代以来となる。
当時は香川が左サイドハーフ、本田は絶対的な存在としてトップ下に君臨していた。ただ、イタリア人監督は10番を[3]の中央で起用したこともあった。実質的には本田一択だったが、香川を据えるプランはあった。
西野朗監督はシステムに固執している様子はなく、実際にこの日の練習では中盤がダイヤモンドの[4-4-2]も試した。そこでは本田が右サイド、トップ下に香川という配置になっていた。
[4-2-3-1]は日本代表にとって慣れ親しんだ布陣であり、世界と渡り合えるかは別としていつでも立ち戻れる場所である。[3-4-2-1]や[4-4-2]を導入し、相手によって臨機応変に戦い方を変えるのは重要な策だろう。西野ジャパンにとっては、今はトライの時期であり、あらゆる面で模索中という段階。だからこそ、本田と香川が同時にピッチに立つこともあり得るし、ポジション争いに発展する可能性もあるだろう。
2014年ブラジルワールドカップから4年。ロシア大会が目前に迫っている中、日本をけん引してきた2大エースがひとつのポジションを巡ってバトルを繰り広げることになるのか。[3-4-2-1]でスタートしたガーナ戦を見る限り、本田の序列は上がっていると思われるが、果たして。今後の練習、スイス、パラグアイとのテストマッチが注目される。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
【了】