15歳で“島流し”も、移籍先で着実な成長
リバプールのサディオ・マネがキーマンとして知られるセネガルだが、この男も相当手強そうだ。
リーグ1のモナコに所属するウィンガー、ケイタ・バルデ、23歳。
歩幅の狭いステップで素早く、しかも襲いかかる相手DFたちをものともせずに猛進するパワフルなドリブル、そして本人が「得意」と豪語する一対一の対人プレー、精度の高いクロスにフィニッシュ。
23歳にして、彼はサイドアタッカーに求められる要素をすべて備えている。
セネガル人の両親のもと、スペインのバルセロナ近郊で生まれたバルデは7歳でフットボールを始め、9歳のときバルセロナの下部組織にスカウトされた。
その時代にあげたゴール数は通算300を超えるという彼は、15歳のとき4部のクラブにレンタルに出された。カタールでの合宿中に、チームメイトの布団の中に氷を入れたイタズラの罰だったとされているが、本人はのちにインタビューで、「あれが決定打になっただけで、いろいろなことが積み重なって」とケロりと話している。
そこで1年が経ったあと、彼はバルセロナには戻らずにイタリアへ渡ることを選んだ。
行った先はローマのラツィオ。ここで13/14シーズンに18歳でプロデビューを飾るのだが、さっそく6ゴール9アシストと、才能の片鱗を見せつけた。
そして昨シーズン、16得点6アシストという数字を残すと、バルデはふたたび新天地を目指した。
当初、移籍先と報じられたのはユベントスだったが、ラツィオのクラウディオ・ロティート会長が提示された金額に首を縦に振らず、ユベントスが引いたところへモナコが会長を納得させるオファーを出した、というのが一般的に語られているシナリオだ。移籍金は3000万ユーロ。モナコでは、ファルカオ、ハメス・ロドリゲスに次ぐ史上3番目の高額移籍だった。