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“その存在が卑怯”。最高峰のDFクリバリ。日本の前にそびえ立つセネガルの『人間山脈』【W杯 日本を襲う猛獣たち】

間近に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物たちだ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はセネガル代表のDFカリドゥ・クリバリを取り上げる。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

巨体ながらスピードとダッシュ力も備える

カリドゥ・クリバリ
セネガル代表のカリドゥ・クリバリ【写真:Getty Images】

「クリバリは非情だ」

 4月22日のセリエA第33節のユベントスvsナポリ戦の直後、イタリアのネットユーザーはそんな言葉を書き立てて盛り上がっていた。クリバリとは、試合終了間際に決勝ゴールを決めたナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリのことだ。

 これは、CL準々決勝2ndレグの終了間際にPKを下したジャッジに対し、「審判は非情だ」と非難発言をしたユベントスGKジャンルイジ・ブッフォンを皮肉ってのもので、クリバリが卑怯を働いたなどと非難しているわけではない。

 もっとも、その日のクリバリのパフォーマンスは圧倒的の一言。ユーベの選手たちとそのファンにとって、“その存在が卑怯”という意味であればズバリの表現だったのかもしれない。

 クラブ公式のデータによれば、身長195cm、体重89kgの巨体。瞬足のフォワードに走り負けないスピードとダッシュ力を備える。リーチの長い脚から繰り出されるタックルは、確実にボールだけを捉えてインターセプト。しかも足元の技術もしっかりとしており、正確に味方へパスをつなぐことができる。

 そしてユベントス戦では、90分に得たCKを高い打点のヘディングで合わせて決勝ゴールを奪った。

 ただそのクリバリは、次節のフィオレンティーナ戦で開始6分に退場。それが響いてチームは敗れ、スクデットをユベントスに譲る結果となってしまった。

 しかし、クリバリへの評価は変わらない。目下、彼はセリエAで最高のセンターバックの一人。特にこの2シーズンは、非常に高いパフォーマンスレベルを維持してきた。そしてロシアW杯で名を挙げることができれば、ワールドクラスに数えられることになってもおかしくはないだろう。

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