巨体ながらスピードとダッシュ力も備える
「クリバリは非情だ」
4月22日のセリエA第33節のユベントスvsナポリ戦の直後、イタリアのネットユーザーはそんな言葉を書き立てて盛り上がっていた。クリバリとは、試合終了間際に決勝ゴールを決めたナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリのことだ。
これは、CL準々決勝2ndレグの終了間際にPKを下したジャッジに対し、「審判は非情だ」と非難発言をしたユベントスGKジャンルイジ・ブッフォンを皮肉ってのもので、クリバリが卑怯を働いたなどと非難しているわけではない。
もっとも、その日のクリバリのパフォーマンスは圧倒的の一言。ユーベの選手たちとそのファンにとって、“その存在が卑怯”という意味であればズバリの表現だったのかもしれない。
クラブ公式のデータによれば、身長195cm、体重89kgの巨体。瞬足のフォワードに走り負けないスピードとダッシュ力を備える。リーチの長い脚から繰り出されるタックルは、確実にボールだけを捉えてインターセプト。しかも足元の技術もしっかりとしており、正確に味方へパスをつなぐことができる。
そしてユベントス戦では、90分に得たCKを高い打点のヘディングで合わせて決勝ゴールを奪った。
ただそのクリバリは、次節のフィオレンティーナ戦で開始6分に退場。それが響いてチームは敗れ、スクデットをユベントスに譲る結果となってしまった。
しかし、クリバリへの評価は変わらない。目下、彼はセリエAで最高のセンターバックの一人。特にこの2シーズンは、非常に高いパフォーマンスレベルを維持してきた。そしてロシアW杯で名を挙げることができれば、ワールドクラスに数えられることになってもおかしくはないだろう。