ブラジルW杯後に台頭、新たな解決策に
「3バックに対しては修正をかけたい」と西野監督が語る様に4バックが再びベースになる可能性は高い。4バックで長谷部をアンカーに置く[4-3-3]のインサイドハーフで大島と柴崎を組ませるというプランは攻撃面でも守備面でも、チームのパフォーマンスを高める布陣になりうる。
チームが慣れている4バックの手前に長谷部がバランサーとして構え、その手前で大島と柴崎がつなぎ、高い位置のディフェンスをこなすことで攻守に安定感をもたらせる。
さらに3バックより高い位置まで飛び出しやすいため、柴崎がタイミングを見ながら前に出て大島のダイアゴナルパスを引き出すようなプレーをそれほどリスクなくトライすることができる。
ガーナ戦の終盤には長谷部に代わり井手口陽介が入り[4-4-2]に変更すると、ボランチより上がり目のサイドハーフに柴崎がポジションを取り、大島を起点に柴崎がチャンスを作り、井手口を飛び出させるシーンも出た。
全体としては散々だったガーナ戦から2週間半の練習と2つの試合で飛躍的にパフォーマンスを伸ばすことは困難であるし、本大会の3カ国はさらに手強く、しかも日本を分析してくることを想定すれば、かなり苦しい戦いになることは用意に予想できる。
その中でも大島と柴崎という2人のクリエイティブで状況判断にも優れたMFを併用することで打開の道を探るのは現在考えられる有効プランの1つだ。
年齢的には中堅にさしかかっているが、ブラジルW杯後の4年間で台頭してきた2人のMFが日本代表に確かなソリューションをもたらせるか。ここから本大会に向かう合宿、そしてスイス戦とパラグアイ戦の注目ポイントだ。
(取材・文:河治良幸)
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