ともに守備力にも不安なし
柴崎も試合前から「いい連係、お互いコミュニケーションを取ってバランスを取ることが大事だと思います」と語っていた。ともにボールハントのスペシャリストではないだけで、スタンダードとして求められるディフェンスは十分にこなせる。
ともにコンタクトプレーを積極的にチャレンジするタイプのMFではないものの、相手とのポジショニングや駆け引きに長けており、大島はちょっとしたボールコントロールのズレを逃さずかっさらう能力、柴崎は必要な時には体を当てて止める能力も身に付けている。仮にスタメンや相手とイーブンな状況で2ボランチを形成したとしても大きな不安はない。
ハリルホジッチ前監督も3月の遠征で大島と柴崎を招集していた時点で構想していたかもしれない。周知の通り大島がマリ戦の前半に負傷したため、当時のチームでこの組み合わせを見ることはできなかった。もっともデュエルが主体だったハリルホジッチ前監督から、よりゾーン気味にボールを見る西野監督になったことで、その実現性はさらに高まっているのも確かだ。
ただ、ロングボールからのこぼれ球などが多く発生する試合展開で押し込まれたら、純粋な高さやパワーといったところで例えばセネガルのマネ、ポーランドのミリクといった身体能力の高いアタッカーにフィルターを破られてしまうリスクは高くなる。
3バックでも中央の長谷部誠が前に出て彼らをサポートできればいいが、ガーナ戦の3バックの機能性を見ても、そこまで臨機応変に対応できるほど組織として熟成させることは難しいだろう。
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