落選は三竿、浅野、乾、武藤の中から?
井手口陽介も万全とは言い難い状態に見えたが、西野監督にとってはそれも織り込み済みだったのではないか。現状でどれだけのパフォーマンスを見せるかを確認できれば良かったのだろう。一方、ボランチの最後の椅子を争う三竿は出場機会がなかった。ガーナ戦で出場機会を得た井手口が一歩リードしたと言える。
そして、香川は相手ゴール前に侵入し、アイデアを披露しようとはした。しかし、味方との呼吸が合わない。相手にとって嫌な位置に顔を出しているものの、決定的な仕事はできなかった。
アタッカー陣では香川、浅野、武藤がガーナ戦でアピールする必要があった。武藤は好調ぶりを示したが、ネットは揺らせず。香川は今ひとつの出来に終わり、浅野にいたってはピッチに立つことすら叶わなかった。
そして、当落線上の焦点として乾の名前も挙げなければならない。調子さえ良ければメンバー入り確実だが、コンディションが整っていない。結局、ガーナ戦も出番なし。そうなると落選の可能性が高いと見るのが妥当か。香川が結果を残せなかったことで攻撃的な選手の人選は悩みどころだが、乾はトップフォームに戻らないと指揮官が判断すれば、香川もロシア行きの切符を手にするのではないか。
23人に滑り込む最後の数名が誰になるのか。それは西野監督のみ知るところだが、ガーナ戦の起用法や選手のコンディションなどを考慮すれば、三竿は最も厳しい立場か。貴重なジョーカータイプである浅野と乾に関しては、指揮官が最後まで悩んでどちらかを選択する可能性がある。
状態の良さを感じさせた武藤だが、ガーナ戦でチームの攻撃が低調だったとはいえ、ストライカーとして得点を記録できなかったのは事実。そのため、序列を飛躍的に上げるには至らなかった。
つまり、26人の中からワールドカップメンバーを絞り込むとすれば、この4人のうち3人がロシア行きを逃がすことになるのではないだろうか。
(文・編集部)
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