好調の武藤を外すか、それとも…
最後の3人目は武藤か、それともDF陣の1人ということになる。西野ジャパンが3バックと4バックを併用する見通しとなったため、DF陣は人数的に現状維持となる可能性が高いと見られていた。しかし、遠藤、昌子、植田うち1人は削っても問題ないという判断はできる。
ボランチを含めて多彩なポジションでプレーできる遠藤、対人守備や競り合いに強い植田はセネガル戦(エカテリンブルク)などで使い道があると考えられるため、外すとしたら昌子になってしまう。ただ、アジア最終予選では昌子も槙野としのぎを削り、昨年8月のオーストラリア戦(埼玉)ではスタメンの座をつかんだ実績もあるだけに選外にするのは容易ではない。
DF陣を絞れない場合、最後の選択肢は武藤になってしまう。武藤も決して調子は悪くないし、むしろ岡崎よりもいいパフォーマンスを見せているのだが、ガーナ戦で得点できなかった現実が重くのしかかる。「決めていないんで、与えられたチャンスを生かせてないと思います」と本人も神妙な面持ちで語っていただけに、指揮官の決断を待つしかない状況だ。
いずれせよ、最後に外れる3人は代表で実績の少ない若い選手中心になりそうだ。ガーナ戦のスタメン平均年齢は29.5歳で、若手3人を外してしまったらチーム全体の高齢化はさらに進む。ベテランで勝負を賭け、惨敗してしまったら、未来の日本代表に残されるものはない。
目先の勝負だけに集中しなければならない西野監督や日本サッカー協会にはそこまでの余裕はないのかもしれないが、次世代にも何らかの財産が残るようなメンバー構成になれば理想的だ。そんな願いを託しつつ、運命の瞬間を待ちたい。
(取材・文:元川悦子)
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