香川と岡崎に不安。最も落選の可能性が高いのは…
当落線上と目されていた香川は45分間ピッチに立った。登場から10分間で2本のシュートを立て続けに放ち、酒井高徳に鋭いサイドチェンジを送るなど、予想以上に状態が上向きであることを示した。
だが、躍動感と推進力が前面に出たのはこの時間帯だけで、勢いが持続しなかった。一方の岡崎も31分間のプレー機会を得たが、左足首の状態はまだ不安定。好調時のパフォーマンスとはかけ離れた印象を残した。
彼ら2人同様、公式戦から遠ざかっていた井手口も物足りなさを感じさせた。ミスパスからピンチを招いた82分の場面などで実戦感覚の不足が如実に出た。この現状を西野監督はどう捉えたのか。20日後の初戦・コロンビア戦(サランスク)までに本調子を取り戻せるという判断ならメンバー入りするだろうが、未知数の部分も少なくない。
ただ、香川と岡崎、井手口の3人にはワールドカップアジア最終予選での貢献度の高さという強みがある。実績と経験を重んじる指揮官だけに、彼らに対して落選という重大決断は下せないのではないか。
そうなると落選候補は、ガーナ戦でチーム最多3本のシュートを放ちながら決めきれなかった武藤と、出番のなかった遠藤航(浦和)、昌子源、植田直通、三竿健斗(いずれも鹿島)、酒井宏樹(マルセイユ)、乾貴士(エイバル)、浅野拓磨(シュトゥットガルト)の合計8人のいずれかということになる。
ここまでの練習を見ると、一番苦しいのが三竿だろう。ゲーム形式の練習でサブ組にも入れないことが多く、ロシア行きの道は険しい。次にピンチなのが右太もも前打撲が完治していない乾。西野監督は卓越したドリブル突破力を備えた彼を高く買っていたが、ガーナ戦に間に合わなかったことで23人のメンバーに残すかどうかの判断を迫られることになった。
ただ、ジョーカーにもなり得る乾を選外にするのは攻撃のバリエーションが減ることにもつながる。浅野に関しても同様で、矢のように相手背後に突き進めるスピードを持つ選手は彼しかいない。今年に入って一度も公式戦に出ておらず、ガーナ戦でも試されなかったため、状況は相当厳しいが、外すのは乾と浅野のどちらか1人になるだろう。