「正直に言えば、今は希望は見えていない」
ーー原口のウィングバックも、後ろの吉田麻也が足の遅い選手ということを考えると、かなり大きなリスクに感じました。
「ウィングバックは本当に難しいポジション。攻撃的なワイドプレーヤーより守備的なサイドバックの方が適応出来ると思う。だからこそ、(酒井)宏樹や遠藤(航)の方が良いんじゃないかな。守備の時はもちろん5バックになる。だからこそ、ウィングバックは守備陣の方が安心。3バックはこれからも続けるかどうかわかりませんが、もし3-4-2-1だったら原口は2シャドーの1人の候補だと思う」
ーーワールドカップまであと3週間。31日に23人のメンバーを発表してヨーロッパ合宿となりますが、日本代表に希望は見えてきていますか?
「正直に言えば、今は希望は見えていないですね。本当に難しいと思います。でも、ワールドカップの全てはロシアでの3試合。向こうで何が起こるか100%予想することはできないので、前回より良い成績を残す可能性はまだあると思う」
ーーこの後、日本代表と西野監督は何をやっていく必要がありますか?
「プレースタイルとフォーメーションをしっかり決めないといけないですね。もし3バックでいきたかったらそれでいけばいい。あるいはもし4バックの方が安心だと思ったらそうすればいい。コロンビア戦までは3週間しかないので、今から新しいことを試す余裕はない。攻撃ではスピードはまだ足りてないと思う。判断スピードもパスを出すスピードも。攻める時はもっとスピードを上げないと、遅すぎたら相手のDFは簡単に守備を整えてしまう」
ーーいろいろなことをやりすぎて全部が中途半端になってはいけないということですね。
「その通りですね。人生はそんなものです!」
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年、イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。
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