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ザック時代に逆戻り。西野Jは“負けやすくなる”戦い方。真に目指すべき方向性とは?【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

メインアプローチがハイクロスという問題

 日本のシュート数は14本、それなりにチャンスはあった。ただ、再現性のありそうなチャンスは少なかった。

 フィニッシュへのアプローチでメインになっていたのはサイドからのハイクロスだ。前半の長友佑都から大迫勇也へのクロス、後半の酒井高徳のクロスを長友が折り返して香川真司がシュートしたシーン。この2つはハイクロスからのチャンスだった。しかし、とくに空中戦に強いFWのいない日本のメインアプローチがハイクロスでは整合性がない。

 武藤嘉紀、本田圭佑のヘディングシュートにつなげたペナルティーエリア角あたりからの距離の近いロブ、あるいは酒井高から香川へのプルバックのような形のほうが可能性はある。ハイクロスは狙ったところに飛んではいるが、高さに優位性のない日本はクロスの質を変えたほうがいい。例えば、DFの腹ぐらいの高さならば身長差は関係がなく、こぼれ球になりやすいので高く蹴るぐらいならライナーのほうがいいのではないか。

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