フットボールチャンネル

日本代表 6年前

情報はオープン、練習場にファン殺到。選手と意見交換も活発に。西野流マネジメントは吉か凶か

text by 藤江直人 photo by Getty Images

デメリットよりメリット? 結果は本大会で

 食事会場で言えば、それまでの横に長いテーブルに座って食べていたのが、今合宿からは円卓に変更されている。両隣の選手としか話ができなかった状況から、視界のなかにさまざまな選手が入ってくるそれに変われば会話も弾む。ピッチを離れても、ポジティブな環境が生まれている。

 ここで、ひとつだけ不安が残る。情報戦略が熾烈を極める現代社会において、たとえば3バックを導入するという一報がコロンビアだけでなく、セネガル、ポーランド各代表にも伝わることで、グループリーグを臨むうえで不利益は被らないのか、と。笑顔で一蹴したのは吉田だ。

「そもそも(最初から)隠す気がありませんからね。(監督も)もう言っちゃっているし、いいんじゃないですか」

 3月の国際親善試合でセネガル、ポーランドがともに3バックをテストしている情報は、すでに日本も把握しているはずだ。この状況に及んでは手の内をむしろ隠さないことが、4バックなのか、あるいは3バックなのか、という混乱をワールドカップ本番で相手にもたらすかもしれない。

 第一カッターフィールドでの最終日となった28日、場所をガーナ戦が行われる日産スタジアムに移した29日は一転して非公開として緊張感を高めた。所属するアイントラハト・フランクフルトと同じく、3バックの中央を務めるキャプテンの長谷部誠は、チームの変化をこう表現する。

「雰囲気はやっぱり、監督が代われば変わりますよね。これまで自分自身、何回もクラブや代表で監督が代わっているので、監督が代わればピッチ内、ピッチ外でいろいろな部分でも変わる。日本代表チームとして、次のガーナ戦は日本中を巻き込んでやっていけるようなものにしたいと監督も話されていたし、それは選手みんなも感じていると思います」

 西野流マネジメントは、現状ではデメリットよりもメリットのほうがはるかに上回っていると言っていいだろう。一夜明けた31日にはロシア大会へ臨む代表メンバー23人が正式に決まるなかで、26人の代表選手は「競争」と「共存」を絶妙なバランスで保ちながら、西野ジャパンの初陣にしてお披露目となるガーナ戦のキックオフを待つ。

(取材・文:藤江直人)

【了】

ハリル
ハリル氏「最悪の悪夢」。日本代表監督解任にショック隠せず
ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表前監督は27日、都内で記者会見を行った。
ハリル
ハリル氏、香川と本田に言及? W杯出場決めた豪州戦で出番なしに「2人の選手ががっかりしていた」
ロシアワールドカップ・アジア最終予選について語り始めたハリルホジッチ氏。オーストラリアに勝利し、本大会の出場権を獲得したハリルジャパン。この試合の後について同氏はこう話している。
ハリル
ハリル氏、槙野智章からのメッセージを明かす『JFAの決定に落胆』『コミュニケーションに問題なかった』
『選手たちとの信頼関係の薄れ』が解任の一因となったが、これについてハリルホジッチ氏は疑問を口にした。
ハリル
ハリルホジッチ解任記事まとめ
日本サッカー協会(JFA)は9日、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督解任を発表した。これを受け、報じられたハリル氏や選手の反応をまとめた。

 

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!