相手に向き合って本大会へつなげるべき
このサイドの攻防で優勢に立てるかいなかで[3-4-2-1]を良い形で機能させられるかどうかも決まってくる。ここで劣勢になると失点のリスクが高くなるだけでなく[5-4-1]で対応せざるをえなくなり、宇佐美貴史や本田圭佑といったあまり激しいアップダウンを得意としないシャドーの選手が活躍するのは難しくなる。
それが一時的なら良いが、ホームの試合でガーナに苦しむようなら、セネガル戦はシステムを変えるか[3-4-2-1]でもシャドーの人選を原口と浅野拓磨にするなど、より機動力重視にせざるをえない。試合に臨むにあたってガーナを“仮想セネガル”としてイメージする余裕がないが、この試合で出た課題はセネガル戦の参考にできる部分も少なからずあるはずだ。
「日本の力を最大限に引き出せればと思います」と敵将が語る通り、ガーナがアフリカの強豪国らしいタフな勝負を日本のホームで実現してくれたら強化試合として素晴らしいことだ。
新体制で新しいシステムを用いる以上は相手よりまず自分たちのベースを意識することも大事だが、しっかりと相手に向き合う中で効果的なトライ&エラーをして、欧州でのキャンプと残り2試合のテストマッチ、そして本大会につなげてもらいたい。
(取材・文:河治良幸)
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