ガーナ戦で全てを出し切れ
国際Aマッチ111試合出場、50ゴールという偉大な数字を残す岡崎は、昨年3月のタイ戦(埼玉)から得点に恵まれていない。3度目となるワールドカップの大舞台に立ちたいのであれば、目に見える結果を残すこと。それが一番明快な答えである。
それは香川にしても同じだ。本人はゴールに対して大いに自信がある様子だったが、代表では7ヶ月、所属のボルシア・ドルトムントでも1月27日のフライブルク戦以降は得点を奪っていない。その影響なのか、今回の合宿でもシュートが思うように枠に飛んでいない印象だった。
西野監督が2シャドーのファーストチョイスを宇佐美貴史(デュッセルドルフ)と本田圭佑(パチューカ)の組み合わせだと考えているのも、香川が絶好調時のパフォーマンスに戻っていないからだろう。
それでも指揮官は「期待していた選手たちが期待を感じさせる状態に日に日になってきている」と語っていて、調子が上向いていることを認めている。その前向きな印象をより強めるためにも、このガーナ戦では宇佐美や乾貴士(エイバル)よりも信頼できるところを示す必要がある。
「シャドーのポジションはやり慣れていないわけじゃない。3バック含めてドルトムントでもやってますし。そういう経験や知識、アイディアだったりは浮かんでくるので、それをチーム、個人としてどうやっていくのか。3バックは考え方によっては5-4-1というか、4シャドーみたいに両ウィングが高い位置を取ればチャンスになる。そこはこのチームで非常に生かせると思います」と香川は両サイドも攻撃参加できるような状態を自ら導き出したい考えだ。
その思惑通り、香川も岡崎も確固たる存在価値を認識させられれば、落選危機などという話題からは無縁の状態になる。彼らもロシアワールドカップだけに集中できるようになる。そうやって自分たちの立場を劇的に変化させるべく、ガーナ戦では持てる経験値と底力の全てを出し切れるだろうか。
(取材・文:元川悦子)
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