デビュー戦で初アシスト。エースも大絶賛
17分には味方からの縦パスを受けると、身軽な動きで反転し、中央突破を仕掛けて自らシュートまで持ち込んだ。わずかにゴールの枠を外したが、シャープな足の振りと鋭いボールの弾道に観客席は大いに沸いた。
左サイドを起点にプレーしたイ・スンウは、しばしば2トップを組むソン・フンミンとファン・ヒチャンのすぐ後ろに入って、3人で流麗なコンビネーションを駆使した崩しを見せることもあった。
60分にはソン・フンミンが試合の均衡を破る先制点を韓国にもたらした。そのゴールをアシストしたのはイ・スンウだった。選手交代にともなって右サイドにポジションを移していた背番号9は、自らゴール方向に突破を仕掛けて相手ディフェンスをギリギリまで引きつけて、左に立つソン・フンミンに丁寧なパスを通す。韓国の大エースはノーマークとなり、左足から放たれた強烈な一撃がゴール右隅に突き刺さった。
A代表デビュー戦でアシストを記録し、鮮烈な印象を残したイ・スンウは84分に交代でピッチを退いた。韓国に希望をもたらした若き至宝には、観客席から万雷の拍手が送られる。将来はソン・フンミンに匹敵するか、それ以上の存在になれるポテンシャルを証明して見せた。
試合後、初めてA代表でキャプテンマークを巻いてチームを勝利に導いたソン・フンミンは、イ・スンウに対し「僕がデビューした頃を思い出した。1試合目からいい活躍をしてくれた」と称賛した。そして「この試合にうぬぼれないでほしい。ずっと活躍してもらいたい」と助言も送っている。
だが、そんな心配は必要ないかもしれない。1年前のU-20ワールドカップでは、強気な発言と尊大とも受け取れるパーソナリティを発揮して、チームの「王様」のように振る舞っていたイ・スンウだが、A代表では謙虚な「青年」として戦っていた。
ピッチ上では泥臭くボールに食らいつき、守備でも強烈なスライディングタックルを見せるなど労を惜しまない。攻撃に移れば柔らかなテクニックとゴールへの意識を前面に押し出していく。先輩選手たちと積極的にコミュニケーションをとる場面も見られた。