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代表 6年前

韓国の至宝イ・スンウ、A代表デビューの衝撃。20歳の天才FWが駆け上がる大人への階段

ロシアワールドカップに向けて準備を進める韓国代表は、28日にホンジュラス代表を2-0で下した。この試合では20歳のイ・スンウが韓国代表デビューを飾り、鮮烈なパフォーマンスで喝采を浴びた。発アシストも記録した新星は、U-20ワールドカップに出場していた昨年から見違えるような急成長を遂げている。(取材・文:舩木渉、取材協力:キム・ドンヒョン)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

代表初招集のイ・スンウ、背番号9でいきなり初先発

イ・スンウ
20歳のイ・スンウが韓国代表デビュー。“韓国のメッシ”らしい活躍でいきなり1アシストを記録した【写真:Getty Images】

 ある韓国人のサポーターは「今回のワールドカップは韓国代表史上最も期待が薄いかもしれない」と話していた。

 確かに、28日に行われたホンジュラス代表との国際親善試合は、ワールドカップ直前とは思えない雰囲気だった。約6万6000人を収容する大邱スタジアムの客席には空席が目立ち、最終的に発表された観客動員数は3万3252人である。

 これでも最近では多い方だそうだが、ロシアワールドカップ出場権を獲得する直前のアジア予選最後のホームゲームで記録した6万3124人には遠く及ばない。13年ぶりの大邱開催だったとはいえ、ワールドカップに向けた盛り上がりには欠ける。

 だが、そんな空気を一変させるかもしれない希望が彗星の如く現れた。ホンジュラス戦のメンバーリストが発表された時、背番号9を与えられた若手の先発起用に記者室も一瞬どよめいた。シン・テヨン監督が抜てきしたのは、ワールドカップに向けてA代表初招集を受けた20歳の新星FWイ・スンウである。

 ちょうど1年前、当時バルセロナの下部組織所属だったイ・スンウはシン・テヨン監督とともにU-20ワールドカップに出場していた。その大会の後、イタリアのエラス・ヴェローナへ移籍。今季はセリエAで14試合に出場して1得点を記録した。唯一のゴールを決めた相手は名門ミランだった。

 初めての欧州主要トップリーグでのシーズンを終えて経験を積んだ20歳のホープは、韓国代表デビュー戦で鮮烈なパフォーマンスを披露する。ホンジュラス戦で最も大きな歓声を浴びていたのは、当然のように大スターのソン・フンミンだったが、2番目に大きな歓声を浴びたのは他でもないイ・スンウだったのである。

 序盤から試合はスローテンポで展開するが、イ・スンウはキレのある仕掛けや周囲との細かなコンビネーションを駆使して果敢にゴールを狙った。韓国代表はワールドカップに向けた準備の初期段階という印象で、背番号をシャッフルし、システムもこれまでとは違う4-4-2を採用してコンディションや連係の確認を重視した試運転状態。その中でイ・スンウの存在感は異彩を放った。

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