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日本代表 6年前

本田圭佑、西野Jの新布陣で覚醒も。ぶっつけ本番どんと来い…南アW杯で輝いた経験の意味

text by 元川悦子 photo by Getty Images

コンディショニングも慎重に。ロシアで輝く本田圭佑を見られるか

本田圭佑
新システムは本田にとって吉と出るか凶と出るか【写真:Getty Images】

 本田は6月19日に行われるロシアワールドカップのグループリーグ初戦・コロンビア戦(サランスク)に照準を定め、シャドーストライカーとしての完成形を突き詰めていく腹づもりだ。

 そのためにも、コンディショニングは欠かせない。8年前の南アフリカワールドカップと4年前のブラジルブラジルワールドカップの明暗を分けたのは紛れもなく調整の問題だ。前者はスイス・サースフェーでの高地合宿で心肺機能を徹底的に高めた結果、本田や松井大輔(横浜FC)、大久保嘉人(川崎F)らの状態が劇的に上がり、日本は走力と運動量、動きのキレで相手を圧倒できた。

 しかしながら4年前は鹿児島県の指宿、アメリカ・フロリダ州のクリアウォーターでの事前合宿における過度な走り込みや、ブラジルでのベースキャンプ地の設定ミスなどが重なり、選手たちは猛暑の環境で足が止まってしまった。

「(南アフリカは)標高が高かったですけど、今回のロシアは標高が低い(日本がグループリーグを戦う3会場は標高80~250m)ということで、何もかもが南アフリカと一緒のシチュエーションではないんですけど、コンディション面はうまく調整してもらえてるなと思います。過去2回に比べて体的にはよくなってる部分もあれば、悪くなってる部分もあるけど、戦える体であることは間違いない。準備万端で本番に向かえると思います」と本田は8年前の成功を熟知する早川直樹コンディショニングコーチのアプローチに信頼を寄せていた。

 シャドーの選手は相手サイドバックにプレッシャーをかけにいくなど守備負担も大きいうえ、後方の7人がベタ引きになった時には個の力で局面を打開してフィニッシュまで持ち込まなければならない、大きな負担を背負うことになる。

 だからこそ、走れて戦える体は必要不可欠だ。今回同様、前線の3人で攻め切った8年前の経験がある本田なら、当時の再現も十分可能ではないか。ロシアで4年間を過ごしたキャリアを含め、この男の経験値は今のチームにプラスに働きそうな部分が多い。西野監督が最大級のリスペクトを払ってくれているのも追い風だ。

 3-4-2-1の新布陣が本田にとって吉と出るか、凶と出るか。そこはガーナ戦の大きな注目点だ。シャドー・本田の可能性を測る意味でも、このテストマッチでの一挙手一投足は見逃せない。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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